2歳児に教えてもらったリフレインすることの威力
私は母に「口から生まれてきた」と評されるほど、
よくしゃべる。
働いていたときは、
しゃべる仕事だったからそれが功を奏したかもしれないが、
育児においては、それが災いして、
子どもの話にもうっかり口をはさみがちだ。
「え?それってだれが?」
「はいはい、そのことね」
「えーそれくらいがんばんなさいよ」
心の声が身内にはどんどん出る。
意識すればキャッチボールできるのに、
日常生活では、
子どもの声を受け止める余裕より、
私忙しいのよ、
何が言いたいのか結果を聞かせてくれ、
という感じ全開・・・
たとえば子どもが転んで泣いてしまったような時、
みなさんはどう声をかけますか?
私はかつて、
「大丈夫、大丈夫!」とか
「いたいのいたいの飛んでいけー!」とか
抱っこしつつも、
いかに早急にポジティブにもっていくか?という発想で、
言葉が出ていたと思う。
「あ!あれは何だろう?」
みたいな場面転換の言葉 とか 笑
(↑ 結構使えるけど)
でも、ポジティブな言葉を発しても、
場面転換の言葉を発しても、
こどもは「いたいよー」とか「ちがーうー」とか
案外、泣いていたような気もするのです。
で、最近、
相手の気持ちがすっと収まる、
もっといい方法があると気付きました。
教えてくれたのは、我が家の3番目。末っ子。2歳児。
彼は非常にコミュニケーション上手。
たとえば、私が何かにつまづいてイタッ!と言う。
すると、末っ子は、
「おかーさん、いたいの?」と聞く。
「うん」と答えると、
彼はしみじみとこう言う。
「そ~かあ~いたいかあ~」
これが言われてみると分かるのだが、
なーんとも心地いい!
その気持ちをあえて言葉にすると、
「そうなんだよ~気持ちに寄り添ってくれてありがとう!」という感じ。
転んで泣いた子どもも、
こうやって「そっか~いたかったか~」 って
ただ受け止めてもらいたかったのかもなあ・・
なんて思うわけです。
また、ある時には、
キッチンの食洗器に食器をしまい終わると、
とことことやってきて、
「おかーさん、おわった?」と聞く。
「終わったよ」と答えると、
「そ~かあ~おわったかあ~」と。
小刻みにうなずきながらにこにこしている息子。
息子の言葉に、
「うんそうだよ、おわったよ」とまた心で答えて、
それがなんとも癒される。
なぜこんなに癒されるのだろう。
それは、末っ子の言葉に否定も肯定も
<ジャッジがない> からじゃないだろうか。
自分の言葉をそのままリフレインされることによって、
じぶんの在りようをすぽーんと
<そのまんま 受けとめてもらった>気持ちになるのです。
そういえば6年ほど前に
幼稚園で申し込んだ母親セミナーがあって、
コミュニケーションにおいて「オウム返し」が
いかに有効かという話を聞いていたのだった・・・汗。
その講師の方がおっしゃっていた例が、
面白いのでご紹介。
運動会の練習で疲れて帰宅した小学生の息子との会話。
子:「おかーさーん、つかれたあーー」(玄関にて)
に対して
たいていの母親が何というか。
母:「いいから手を洗いなさい」(リビングから)
母たち爆笑!
うん、あるある!!
でも、よく会話を見てみると、全然かみ合ってない!(笑)
こうしたらどうだろう。
子:「おかあさん、つかれたー」
母:「そうかあ、つかれたかー」
「手洗ってね」はそのあとでいいのだと。
子どもの目線で会話を見てみると、
後者の会話は気持ちがスーッとしませんか?
で、、、おそるべし我が末っ子。
「そ~か~いたいか~」
「そ~か~おわったか~」
「そ~か~おもしろいか~」
自然体で、母に、
6年前の話を実感として思い出させてくれたわけです。
リフレインは、
言葉の発達段階にあるものの常なのかも知れないけれど、
実際に言われてみるとその威力がよく分かります。
とにかく ものすごい「包容力」デス!!
だから私も、こどもたちが何かを訴えてきたとき、
「それはこうだからでしょ」とか
「こうすればいいじゃない」とか
「いいからこれしなさい」とかって
会話を打ち返す前に、
意識的にワンクッション入れるようにしている。
「そうかあ。そうだったかあ~」
「そうかあ。そうだねえ~」
これで子どもがムスッとしたことは一度もない。
コミュニケーションがスムーズにいくコツです。
ぜひみなさんもお子さんの言葉、
そのまんまリフレインしてみてくださいね。
(できるときだけで大丈夫!)
自分の気持ちをそのまーんま受けとめられた子が、
う、うん!って
落ち着く姿を見れると思います。