おっかなびっくり一人目育児
日本でも海外でも出産を経験し、
ワンオペ時代も長かった3児の母の私ですが、
1人目を出産して実家に里帰りしたときのことは
いろいろと忘れられない。
両親は真っ白の新生児用レンタルベッドを
居間に用意して、私と赤ちゃんを迎えてくれた。
滞在初日、
慣れない授乳後、
その白いベビーベッドに置いている娘が
突如泣き出した。
私はドキッとした。
赤ちゃんが泣くとなぜこうもドキッとするのだろう。
さっき授乳したばかりなのになんでもう泣いているんだろう。
わたしはベッドに近寄ると、
「何が原因で彼女が泣いているのか?」と考えた。
産院で退院前にもらったパンフレットの内容を思い出しながら、
考えた。
赤ちゃんが泣く理由候補。
1.「お腹すいたのかな」
→おっぱいはさっきあげたばかりだ
2.「げっぷが出なくて苦しい」
→さっきげっぷも出た
3.「おしっこ、うんち、おならが出そうで気持ち悪い」
→さっき出たし、今、おむつには何も出てない
4.暑い、寒い
→多分大丈夫
そして思った・・・
えーーー!!
パンフレットに載ってること
全部あてはまらないじゃん!
じゃあ、どうしてこんなに泣いているんだろう??
分からないーーーー涙
どうしよ・・・・
もしかしてどこか痛いのかな・・・・
どこか悪かったらどうしよ・・・もしや腸重積か?
(新米ママにありがちな心配)
その時、通りかかった母がさらっとこう言った。
「あんた、あやさんかいな~」
へ?!
あ・や・す?
ぎゃーーー
「あやす」っていう単語忘れてた・・・!!
笑。
多くのお母さんたちに笑われそうだが、
この産院帰りの新米ママであった私は
「赤ちゃんが泣いている理由」を真剣に考えるあまりに
「あやす」というごく単純なことすら思い浮かばなかったのだ。
(一瞬あやすって何?って思ったくらい)
赤ちゃんは満腹でも、排泄でなくても、
こわくて泣く、
さみしくて泣く、
甘えたくて泣く、
ヒマすぎて泣く、
いろいろあるわけだ。
赤ちゃんは泣くというコミュニケーションしかないから、
赤ちゃんが泣いたら、話しかけられたのだと思って、
こちらも声をかけたらよい。
もし抱ける状況なら抱いて安心させてやったらよい。
「ん?どうした~?」
「はーい♡大丈夫よ~」
声であやす。
抱き上げる。
受け止める。
何の準備もなくすぐできる
なんて簡単で
なんて尊い行為なんだ。
でもあのとき。
赤ちゃんを家に連れて帰った初日。
分からなかったんだよなあ。
小さい時、年の離れた弟の世話もしていたけれど
あのときは頭の中が「なぜ?」でいっぱい。
泣いてる=かわいそう
泣いている=何かを訴えている=解決しなきゃ
赤ちゃんの泣き声って、不安と一緒になると、
母親への圧力として感じてしまうことがある。
娘の手足がバタバタしないように(お腹の中と一緒)
バスタオルでしっかりくるんで抱いて
話しかけてやったら彼女はすっかり落ち着いた。
いやーそれにしても。
産んだから母親になれるわけじゃないなって。
「"人間という生き物”をさいしょから育てる」って
見たこともなければ、やったこともない。
みんなど素人なんです。
日々赤ちゃんのお世話をしながらだんだん関係が深まって
だんだん互いに息があってくる。
けれど、、
「育児ってぜったい“経験者の知恵”があった方がいいよなあ」と
つくづく思ったのでした。
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