3児のママが見たヨーロッパ

バルセロナ・ロンドン・パリで暮らしてきた3児の母からの欧州の風便り。長年の主婦生活で抱えていたいらいら&もやもやをコーチングがきっかけで払拭。あなたはあなたのままでいい。みんなちがってみんないい。一緒に「よい母親」より「幸せな母親」になりましょう。

フィリピン人ナニーのリン1

バルセロナで幼稚園時代を過ごした娘は

インターナショナルスクールに通っていて、

最初のうちは公共バスで通学していた。

 

通勤通学で混み合うバスで、

頻繁に会うのが、娘と同じ学校の小さな姉妹。

お人形のように目がくりくりとした金髪美人姉妹だ。

 

彼女たちに付き添っているのは、褐色の肌に黒髪のアジア系の女性。

一方、金髪の姉妹にはアジア人の面影はない。

 

お手伝いさんかな?

 

でも待てよ。

バルセロナで暮らしていると、

白人のカップルが中国系や黒人の赤ちゃんを養子にして、

ベビーカーに乗せて歩いているところを時折見かける。

 

見た目は全く違っても親子。

つまり見た目の違いでは測れない親子関係がよくあるのだ。

 

彼女たちはどうなのかな?

 

アジア系の彼女はバス内でいつも親しみを込めて視線を送ってくれ、

英語も堪能。ベビーカーと乗車する私をいつも気にかけてくれて、

バスのチケットがセンサーにどうにも反応しないときは、

新しいチケットまで分けてくれた。

 

ただ付き添っているというのではなく、

バス内で姉妹のふるまいをたしめる真剣さや、

愛情あふれる視線はお母さんそのもの。

 

そして何より、

学校で出会う他のシッターさん達より

社交的で常に堂々としていた。

 

そんな様子からきっとお母さんなんだろうな。

そう勝手に思っていた。

 

ところが、それは大間違いだった。

 

ある日、珍しく父親と登校してきた姉妹。

私は父親に挨拶し「貴方の奥さんはとても親切ですね」と話しかけた。

 

「???」

 

「あれ?」

 

「ああ!リンのことか!彼女はナニーさ」

 

と。

 

はあーーーーーやっちゃった!!!

フィリピンから来たお手伝いの女性だったのだ。

幸いご主人が気を悪くした様子はない。ほっ。。。

でも穴があったら入りたい。。。

 

いやー決めつけるのはいけない。

つくづく。

 

後日、本物のお母さんが一度だけ(!)学校に現れた。

とんでもなく華やかでモデルのような人。

毎日リンが子どもの送迎も買い物もご飯も作ってるんだから

生活感もないはずである。

でもほんとう、この母にしてこの美人姉妹。 

 

よく気の利く、実に賢そうなリンをナニーに雇えた彼らはラッキーだな。

リンはそんな風に思わせる魅力のある女性なのである。