3児のママが見たヨーロッパ

バルセロナ・ロンドン・パリで暮らしてきた3児の母からの欧州の風便り。長年の主婦生活で抱えていたいらいら&もやもやをコーチングがきっかけで払拭。一緒に「よい母親」より「幸せな母親」になりましょう。

通勤地獄@日本

妊娠の経過は人それぞれ、とはいえ、

首都圏のあの満員電車通勤というのは、

健康な大人でも辛いのだから、

まして妊婦や、

その他心身の病気を抱えた人には本当に酷な場所だなと思う。

 

第一子妊娠中にはまだ仕事をしていて、

私は田園都市線を端から端まで乗るような通勤をしていた。

 

この田園都市線というのは、住宅街を通っていて、

出発してから、駅に停車するたびに、

どんどん乗り込んでくるものの、

降りる人が一向にいないのが特徴だった。

渋谷まで来て、初めてごそっと降りるのだ。

 

だから、途中で、お、苦しい状況かも、と思っても、

次の駅で楽になるなどと期待してはいけない。

渋谷に着くまで、混雑は激しさを増すばかりだった。

 

妊娠初期は傍目からは分からない。

たとえ気分がすぐれなかったり、

お腹に鈍痛を感じても、

駅のホームに整然と並んで、我先にと殺気立って乗ってきた人々、

座れた安堵感で、寝たり携帯を凝視する人々に

あの、、座らせてくださいとは相当の勇気がないと言えない。

かと言って降りても、次もまた満員電車が来るだけである。

 

9年前にもマタニティマークがあって、一応ぶら下げてみたが、

そのマークを見せてはいけないような気も同時にしていた。

席をゆずれと強制しているようで。。

 

でも身体がしんどいときは、座りたいと切に思った。

それはお腹の赤ちゃんに何かあったら、、と気にかかる

芽生えだした母性らしき気持ちゆえでもあった。

 

そこで、帰りはルートを変え、

新宿始発の小田急線を二本見送って、確実に座るようにしていた。

結局私は、座れた時に、妊婦なので座らせてもらっていますとばかりに

マタニティマークをさりげなくアピールしていた気がする・・

 

ちなみに父親にマタニティマークを見せたところ、

「これなに?何のマーク?」

と聞かれたくらいなので、

実際は見えるようになっていても

特に中高年の男性に意味が分かる人は少なかったかもしれない。

 

実際にお腹が随分目立ってきて、さっと席を譲ってくれるのは、

若いパパと思われるような人たちであった。

奥さんの経験があって、気にかけてくれるのだろうなと思うとうれしかった。

もしくは、自分の母親くらいの女性も

「さあ座って」と有無を言わさず呼んでくれたりして身に染みる。

若い女性と中高年の男性からは譲られたことがなかったかも・・・ 

 

 

話は戻って。

心臓が圧迫されるほど の朝の混み具合で、

いかに腹部を守るかは命がけであった。

時に誰かの通勤バッグの角がお腹ぐりぐりあたる。

そういう時は遠慮なしに、混雑にまぎれて、

そのかばんを押したり、自分の身を反転させるなどした。

基本的には座っている人の前に立つようにしていたと思う。

お腹のスペースが少しでも確保されるように。

それでも究極的に押されると、

前に座っている人の頭上に両手が行き、窓を支えに立つという

なんとも言えない体勢になる。。

足を広げ仁王立ちし、かばんも持ちながら、

支えを探して、つり革や壁や時に窓に手をやり、

かつお腹もガードし、全身の力を入れたまま、

何十分と乗っているのは本当に疲弊した。

よく長女もお腹でがんばったと思う。

  

欧州に住んで、妊婦も経験したが、

バルセロナのバスでも、

ロンドンのメトロでも、

タトゥーしたいかつい兄ちゃんが何も言わず、

席を立って目で合図してくれたり、

おじいさんが譲ってくれたり、

年齢や性別によらず、よく気付いて行動してくれることに驚いた。

ちなみに、いずれも日本ほどの混雑ではない。

 

人口密度、 交通事情が他の都市とは違う東京。

本当は他人を思いやれる、親切な日本人も、

この特異な環境では周りの様子を見たり、

やさしさを出す余裕がないということだろうか。

 

昔、

「私だって疲れてるのに、どうして妊婦だからって譲らないといけないのか」

という話をしてくれた人もいる。

 

うん、、やはり皆相当に疲れてるんだな。

 

でも、きっと自分より大変な人はいる。

妊婦だけじゃない。

お年寄り、幼子連れ、通学児童、けがをしている人、

その他安全の意味でも、座る場所を必要とする人たち。

 

見て分かることがあれば臆せず声をかけたり、

もしくは、本人から

「すみません、調子が悪いので座らせてもらえませんか」

と申し出があった場合に、

できる人が気持ちよく応えてあげられる社会になるといいなと思う。

 

「どうぞ」「ありがとう」

目と目でにこっとし合えるって、お互いに元気をもらえる。

 

今日も満員電車で通勤している妊婦さん。

さぞお疲れのことでしょう。

どうか身体の声をよく聞いて大切に。

いざというときは声に出して助けを求めてくださいね。