3児のママが見たヨーロッパ

バルセロナ・ロンドン・パリで暮らしてきた3児の母からの欧州の風便り。長年の主婦生活で抱えていたいらいら&もやもやをコーチングがきっかけで払拭。あなたはあなたのままでいい。みんなちがってみんないい。一緒に「よい母親」より「幸せな母親」になりましょう。

パリの託児所の先生から学んだこと

我が家の3番目、末っ子はただ今2歳4か月。

最近、週2回フランスの託児所に通わせ始めた。

 

私は長女の幼稚園入園以来、5年ぶりの一人時間を獲得し、

カフェでコーヒーを飲んだり、背筋を伸ばして颯爽と(の気分!)

行きたい店を渡り歩きながら、いいねえとニヤケている。

 

パリの託児所がどこもそうだとは思わないが、

最初の1週間は連日登園の「慣らし期間」だった。

 

1日目は、1時間お母さんと一緒に遊んで帰る。

2日目も、1時間お母さんと一緒に遊んで帰る。

3日目は、1時間のうち、15分だけ母親が外出。

4日目は、1時間のうち、30分だけ母親が外出。

5日目は、最初の10分一緒で、あとの1時間は母親外出。

6日目は、最初から2時間、母親外出。

 

とまあ日本人も驚く丁寧さである。

 

連日、母と一緒に同じ場所を訪れることで、

こどもが「場所」と「先生の顔」に慣れていくのを感じる。

また、自分の「お母さん」と「先生」が親しく話しているのを見て、

日に日に先生に心を許しているように見える。

 

新しい託児所。パリにしては珍しく広々として、遊具も豊富。

私も息子も、最初の2日間ですっかりその場所を気に入った。

 

3日目。初めて息子が私と離れる日。

いつもの家での息子の様子を見ていると、

来客が多いからか、他の大人にも案外平気であるし、

過去2回、シッターさんをうちに呼んで見ていただいた時も、

数時間、愚図らず兄弟と一緒に楽しく過ごしていたので、

私はまたいつものように「そーっとその場から消えよう」としていた。

 

玄関に向かうと、若い先生が追いかけてくる。

 

「ねえ、〇〇にママがいなくなること言ったの?」

 

「(ええええ、、、言わないほうが泣かないよ・・)言わなきゃだめ?」

 

「そうね」

 

引き戻される。

ベテランのD先生が、そこにはいた。

私は言い訳じみて言った。

 

「彼は私がいなくなっても知らずに楽しく遊ぶタイプで・・・」

 

すると、彼女は毅然と言った。

 

「それはだめよ。

 彼にママはいなくなるけれど、必ず戻ってくるということを

 理解させる必要があるの。」

 

「ここは、あなたが安心して楽しく遊べる場所で、

 こどものための場所であって大人の場所でないこと。

 あなたは楽しく遊ぶ、お母さんも外で楽しい時間をすごす」

 

「そして、必ず、お母さんは事前に約束した通り迎えに来ることを

 こども自身に分からせないといけないの」

 

「そうでないと、ひとしきり泣き終えてからも、

 どうしてママはいないんだ?って理解できずに

 不安になってずっとぐずぐず言うのよ」

 

「だから言わないで行くなんでことは意味がないわ。

 たとえ最初は泣いてもね。きちんと説明しておくことに意味があるの。

 できれば前日の夜から話をしておくのがベストね。

 子どもだって言われていることが分かるのよ」

 

説明責任。

こどもを一人の人間として扱うこと。

そんなことを言われているような気がした。 

 

息子は、私が出ていく時には、わんわん泣いて、

迎えに来た瞬間も、安堵から「おかーしゃーん」と泣いていたが、

私はその度に

「〇〇くん、ただいま!ほーら、おかあさん帰ってきたでしょ♪」って

くどめに言った(笑)

 

6日目に迎えに行ったときには、

シャボン玉で楽しく遊んでいて、私を見ても泣かなかった。

「おかーしゃん、おかえりー!シャボン玉みてー」っていう感じ。

うん。この場所をわかってきてる。