3児のママが見たヨーロッパ

バルセロナ・ロンドン・パリで暮らしてきた3児の母からの欧州の風便り。長年の主婦生活で抱えていたいらいら&もやもやをコーチングがきっかけで払拭。あなたはあなたのままでいい。みんなちがってみんないい。一緒に「よい母親」より「幸せな母親」になりましょう。

無痛分娩か自然分娩か@日本

9年前の1人目の出産は、

当時住んでいた家から最寄りの産院だった。

それがたまたま、日本では珍しく無痛分娩を薦める産院で、

無痛で産みたい妊婦さんが遠くからもやってきているようだった。

 

この産院の看板には、

各種分娩方法取り扱いと書いてあり、

無痛分娩も自然分娩もどちらを選ぶのも本人の自由、ということだった。

 

そして、いざ出産方法の決定日。

診察は院長先生だった。

 

「で、出産方法は?」

 

と聞かれ、

 

「自然分娩してみたいと思っています」

 

と答えたところ、

彼は私の目も見ずに言った。

 

「君は、歯医者で歯を抜くときも麻酔しないんですかあ?

 よく考えた方がいいよ」

 

えええ??出産と抜歯が一緒??

妊婦決死の覚悟に対し、

衝撃のツッコミをもらい、おそってくる不快感と嫌悪感。

しばし呆然としたことを覚えている。

 

きっと、無痛を売りにした産院なのに、

それを選ばない私にちくりと言いたかったのだろう。

でも「選択自由」と謳っているのは確かなのだ。

 

いざ一人目の出産に挑み、

陣痛がますます耐えがたく辛くなってくるとき、

ああなぜ無痛にしなかったのか?と一瞬よぎるのだが(笑)

 

私が無痛を選ばなかったのは、

無痛にすることの抵抗感とか、

やはりお腹痛めてこそ、という価値観からでもない。

 

単に、

赤ちゃんが出てきたいと思った時に、出てきてほしいな

と思ったからだった。

 

というのも、

無痛分娩に欠かせない麻酔科医が

24時間365日体制で待機している産院は

日本にはそうそうなく、

産気づいてから無痛分娩を行う体制ができていないのだ。

 

ちなみに、

欧米では、その医療体制により、

産院がある程度の規模の病院に集約され、

麻酔科医が常駐している。

そのため、自然に産気づいて産院に駆け込んでからでも

無痛を選択するというスタイルが可能となる。 

(副院長先生の両親学級でのお話しより)

 

でも、日本では、一部をのぞき、そのような体制がとれない。

ちなみに、この産院では、

麻酔科医の常駐日が月~金。

お産が長引く可能性を考慮し、月~木曜日が出産予定日とされた。

 

つまり、お産が誘発されやすいように子宮口にバルーンを装着したり、

陣痛促進剤を打つ日が事前に計画され、

当日か翌日には無痛で出産できるというわけである。

(計画無痛分娩と呼ばれる)

 

この方法だと、出産予定日が分かるので、

ご主人も休みをとって付き添いしやすかったり、 

無痛もうまくいけば本当に楽だったと聞くので

病気を抱えていたり、体力のない人なども

産後の体力が温存されるなどよさがあると思う。

 

赤ちゃんが出てきたいとき、つまり産気づいた時に、

無痛分娩を選択できるというなら、それを選んでいたかも?しれないなあ。

 

というわけで、

私の無痛分娩推奨産院での自然分娩が決定した。