バルセロナで見た挨拶習慣2
バルセロナではいつでもHola!と互いに挨拶すること以外にも、
「目と目で会話する」という楽しい体験を日々させてもらったと思う。
特に、ベビーカーを押したり、子どもと手をつないで歩いていると、
かなりの確率で、向かいから来た人と目が合う。
また改めて書こうと思うが、
スペイン人は根っから子どもが好きなのだ。
向かいから来た人はお年寄りの男性だろうが、若い女性だろうが、
まず子どもを見て、
そして隣の親を見て、
ニコニコもしくはニヤッとした視線を送ってくれる。
それはまるで「いいね!」という全肯定の視線。
私も「ありがとう」とばかりににっこりする。
息子がおかしな行動をしている時は「ええ、ええ、面白い子なんです」
という顔をしたり。
知らない者同士とにかく目と目で会話をする。
そうやって、
ちょっと外出すると、
沢山の人と目と目の会話をするので、
異国にいて言語が多少不自由でも、
疎外感とか孤独感とは無縁であった。
子どもに直接話しかける人も結構いて、
大体、
Que guapo! なんてかわいいんだ!
とか
Que pasa! どうしたっていうの? (←あやしてくれてる)
とか言われる。
母親なら何百回と言われるので、まず耳で覚える単語。
ウインクの日常使いにも驚いた。
エレベーター下りるときに子どもにウインク。
お医者さんが診察終わりに大丈夫だよとウインク。
うん。さまになってる。
日本では子連れでいると、人様からの視線がつらい時もあるが、
バルセロナでは一度もネガティブな視線にさらされたことがない。
もちろん仏頂面の人だっているし、興味を示さない人もいるが、
あくまでフラット。
ベビーカーが邪魔だと舌打ちされるなんてことはまずない。
人口密度の違いだろうか。。。
人と人が声を掛け合う。目が合えば微笑む。実に人間らしい生活。
まなざしが温かいだけで、居心地とはこうもよくなるものなんだ。
異国人の私にも子どもにも、
目をかけ、声をかけてくれるバルセロナの人たち。
レジが遅くて列が長い、冷蔵庫修理に来てもすぐ直せない、
そんなことがなんだっていうのだ。
毎日の母子生活が孤独じゃない、出かけやすい。
君はここで堂々と子どもを育てなさい、と言われている気分。
もう感謝しかないのである。