3児のママが見たヨーロッパ

バルセロナ・ロンドン・パリで暮らしてきた3児の母からの欧州の風便り。長年の主婦生活で抱えていたいらいら&もやもやをコーチングがきっかけで払拭。あなたはあなたのままでいい。みんなちがってみんないい。一緒に「よい母親」より「幸せな母親」になりましょう。

<社会科見学>という姿勢で暮らすということ

先日、日本に一時帰国した理由は、

ビザ更新のためでした。

 

そのために長~いプロセスで準備してきた夫。

スペインでもイギリスでもこのプロセスでは苦労を重ねてきた夫。

 

これが目的じゃ!と

家族総出でスタイリッシュな建物のフランス大使館に出向き、

満を持して書類を提出。

 

すると、

窓口の日本語が堪能なフランス人男性職員から、

耳を疑うセリフが。。

 

 

「ド~シテ~パリで更新しなかったんデスカ?」

 

 

・・・・・・・・へ?

 

 

我々そのために今トーキョーにおりますけども・・・・

 

 

 

いやいやいや。

あっちでも、何回もそこを確認したっちゅうねん。

東京でしか対応できないと言われたっちゅうねん。

※更新方法はビザのタイプにより異なります

 

 

「あーそーデスカ」

 

 

さらに、

子どもの手続きは不要ということも明らかとなり、

苦労して撮ったおでこ全開の証明写真も、

コンサルティング会社に渡されて作成した書類も、

全て不要でした・・・・ちーん。

 

 

 

おいおいコンサルティング会社よ、

人事部よ、

フランスよ、

一体どうなっているんだーーーー!!!

(心の声)

 

 

 

海外に住んでいれば、

目が点・・・みたいなことは大小いっぱいあるんですが、

ビザ手続きみたいな公的なことでも、

こんなにちぐはぐなことが起こるんだと

なんかもう、憤りを飛び越えて、脱力、笑うしかないという。

 

 

 

責任の所在なんてものはどこにもなく、

 

「ま、アナタ方、今トーキョーに来ていますから

 ヤリマショ~」

 

とおじさんはにこにこ。

明るくさらっとうやむや。

 

 

ふう。。。。

肝心のビザは取得することができたので

結果オーライ。

もう菩薩のような気持ちです。

 

 

 

それにしてもところ変わればってことはたくさんあります。

役所や銀行、郵便局や施設での対応に嫌気のさした人たちを

バルセロナでもロンドンでもパリでも見てきました。

 

対応する人によって言うことが全く違うのはもはや当たり前。

いい人にあたったらラッキー♪みたいな。

それでも国として回っている。

そのルーズさが、別の場面では有難い寛容さにつながっていたり。

 

 

 

ちなみに、

私が海外でなにか「え??」という経験をしたときに、

心掛けていることは二つです。

 

 

1.おかしいと思ったことは主張する

2.社会科見学と思って面白がる

 

 

お釣りのちょろまかし、

相手が意図的に行った悪事と思える行動は

断固主張します。

 

日本人・アジア人は騙しやすいと思わせるのはしゃくですから。

次の被害者を出さないためにも!って思っています。

 

 

一方で、冷蔵庫修理に来たお兄ちゃんが、

「うーん、ぼく直せないから帰るね」っていなくなっちゃった、とか、

ガラスの交換に来ると聞いて、家でさんざん待ったあげく、

ようやくおじさんがやって来たと思ったら、

メジャーで採寸だけして、じゃあねって帰宅しちゃった、

翌日、別の人がやって来て、いよいよガラス搬入か!と思ったら、

なぜか再びメジャーで採寸しはじめ、帰宅しちゃった、、、ん??

などという日本ではありえない謎の行動を見たら、

 

 

はい。

海外での珍事として鑑賞する。 

笑いのネタとしてポケットに入れる。

その客観的視点が心をとても楽にしてくれます。

 

 

 

バルセロナに着いたばかりのとき、

荷物を搬入してくれた引越屋の日本人のおじさんが、

 

「ぼくの隣の家が内装工事が始めてうるさいなと思ったら、

 突然リビングのかべに穴が開いたんですよ!

 隣の人と目が合っちゃって。もうびっくりですよ。

 それが埋まるのに半年かかりましたから」

 

と苦笑いしながら話してくれた時、

なにか覚悟ができました。

 

 

うん。

よその国に住むってことは、別モードになった方がいいな。

 

 

日本的感覚を心に持ちつつ、

主張すべきところはしつつ、

 

相手が意図せずしてしまったこと、

ご当地では普通の感覚の行動に対しては、

長くショックを受けたり、ひとつひとつにむやみに傷つかない。

 

 

「へ~」

「こっちではそういう感じなのね」

 

 

まるで社会科見学のように、面白がる。

個人的な攻撃と受け止めず、

社会的事象として観察する。

 

そんな感じでいた方が楽に暮らせます。

 

とはいえ、ぬあーんだと????!

ということはいくつかありましたねえ。

そういうときは消耗しますね。ほんとに。

でもそこで相手に対してきっちり主張し、

対応していくことで自己成長を感じる機会だったり。

どんどん強く図太くなります。

 

樹木希林さんじゃないですが、

面白がって生きたい。

そんな風に思います。