3児のママが見たヨーロッパ

バルセロナ・ロンドン・パリで暮らしてきた3児の母からの欧州の風便り。長年の主婦生活で抱えていたいらいら&もやもやをコーチングがきっかけで払拭。あなたはあなたのままでいい。みんなちがってみんないい。一緒に「よい母親」より「幸せな母親」になりましょう。

パリジェンヌマラソンに参加してみたら3

スタートしたらパリの石畳を走る。

普段車でしか通れない道を走るのはすこぶる気持ちがいい。

ど真ん中を走ると、景色も違って見える。

左右には並木道。

もう完全に夏は終わって、結構色づき始めている。

ああ、ロンドン時代のご近所のたっぷりの秋の落ち葉が懐かしい。

 

そうこうしているうちにアルマ橋。

今日は車道を走るから、地上ではなく、地下のトンネルに潜る。

 

そのトンネルはまさに

先日20周忌を迎えたダイアナ妃が亡くなった現場。

 

幼心にきれいだなあと思っていたダイアナさん。

大学一年生の夏休み、サークル活動していたら、

同級生が到着するや「ダイアナさんが死んだんだって!」

と教えてくれ衝撃を受けたこと。

大学の卒業旅行でロンドンに立ち寄った際に、

ダイアナさんの輝く笑顔のポストカードを買ったこと、

ロンドン駐在時代、ケンジントン宮殿の

メモリアルプレイグラウンドでこどもを遊ばせ

そこの古い時計台に Time Flies と書いてあって、

育児疲れだった私に何かを教えてくれたことなど思い出しつつ、

2人の子どもを残し逝った女性の冥福を祈ってトンネルを走る。

 

そこから華やかなグランパレを過ぎ、しばらく行くと、

コンコルド広場の中心にそびえるオベリスクが見える。

真正面に見たのは初めて。

コンコルドといえばマリーアントワネット最期の場所だよねえ。

 

沿道には、おそらくママが走っているから応援に来た、

というような父子がいっぱい。

段ボールに「ママがんばって!」と書いてある。

ママやおばあちゃんたちが

自分の家族のもとへ寄って手を振っている。

 

そして、沿道には絶えず、音楽が。

吹奏楽やサンバや、和太鼓の演奏も!

打楽器って元気出ます。 

 

面白いのは、走っている人が演奏グループへ吸い込まれていって、

一緒に踊り出すことがあること。

あ、タイムとかじゃないのね。

止まらないまでも、演奏している人たちに向かって

ランナーがさかんに拍手を送っていたり。

もう走るのなんかあきらめて普通におしゃべりしながら歩いている人も結構いる。

まさに自由。

なんかいいね。

 

そして、パリで一番ゴージャスな橋、アレクサンドル三世橋の奥に、

ナポレオンが眠るアンバリッドのドームがどどーんと目に飛び込んできたとき、

思わず息をのんだ。う、美しい・・・

 

iPhoneをウエストポーチに入れていたが、写真撮る余裕がなかった。

が、

ここだけは取りたいと揺れながらカシャ!

空は厚い雲に覆われて、相変わらずのグレーっぷりだったが、

橋の上の黄金の女神たちはしっかり輝いていた。

 

待ち時間にしゃべりすぎて喉カラっカラの私は、

給水所を心待ちにしていた。

紙コップに向かって突進。手をつっこむ。

持ったはいいが、走りながら飲むのがこんなに難しかったとは。

半分以上口の両脇にこぼれたね( 一一)

 

でもうるおった。

 

角を曲がるとき、赤いトレーナーのお兄ちゃんたちから

「アレ(行け)!トーキョー!」と聞こえてくる。

 

ん??もしや私?

 

振り返ると彼らとばっちし目が合って応援されていた。

パリジェンヌになろうと思ったら、トーキョーって(笑)

 

次は、息子くらいの男の子が2人。

意を決したように手を出してきた。

ボーイズとハイタッチ。

うれしいなあ。元気出るなあ。

 

うん。一人で走るときと全然違う。

まだ〇キロ?じゃなく、もう〇キロ?って思えるくらい、

やっぱり応援されると元気出る。

楽しい!

 

最後のトンネルは真っ暗にカラフルな照明でディスコ状態!

トンネル内にもいた!マイクパフォーマンスのおじさん。

走るパリジェンヌとハイタッチして盛り上げる。

完全ディスコ状態のトンネル内では、セクシーに踊るランナー多発。

いいねラテン。

自由ね。

 

ゴールを目前に娘を発見!

「おかあさん!これ食べて!」とクッキーをパスしてくれる。

たぶん、スタート前に「もうお腹すいた・・」と夫にメールしたからだ(笑)

 

「ありがとう!」

うん、でも、口の中ぱさぱさで食べれない(笑)

娘の愛はいっぱいで。

 

もう終わっちゃうのか。

クッキー持ってゴール!

 

いやー楽しかった!!

まだ行けそう。なんて。

 

娘に会う前にクッキーをほおばる。

遠くに見える息子もうれしそうにぴょんぴょんしている。

母さんがんばったよー!

 

ん?そんな状況って過去にあっただろうか。

お母さんが応援されてるって。

あ、出産のときか。

いや、こどもは見てないか。

お母さん日々色々とやってるんだけどね。

たまには、お母さんに「ザ出番」あるのもいいもんです。

 

ゴールして通路を進むと、メダルや首飾りをくれたり、

水をくれたり、菓子パンくれたり、薔薇までくれたり。

みんなが「おめでとう!」と言ってくれて。

なんかいいことした気分。

 

通路からやっと出れて家族と合流。

寒い中、ありがとうね。

 

帰り道、あたりのビストロやカフェは

ランニングウェアのパリジェンヌで埋まっていた。

 

ネイルして、おしゃれして、適当に並んで、

走って、踊って、歩いて、カフェへ戻る。

 

みんな気楽に、思い思いに楽しんでいた

パリジェンヌマラソン。

悲壮感とは無縁のこの気楽さがなんともいい。

 

運動音痴の三児の母もとっても楽しめました。

誘ってくれたNさん。本当にありがとう!!!