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3児のママが見たヨーロッパ

バルセロナ・ロンドン・パリの欧州3都市で3児の母をしながら見たこと、感じたこと、学んだことをエッセイのように綴っています。日本での育児についても。

美人姉妹に不思議がられたこと

バルセロナ生活

バルセロナ時代のこと。

 

娘の通学途中、バスでよく会う同じ学校の女の子たちがいた。

娘の学年の一つ上と一つ下の姉妹だ。

どうやらお金持ちのお家のようで、

いつもナニーと一緒に通学していた。

 

お姉ちゃんはちょっとおすましさんで、

かわいいというより美人。

わずかに大人の女性の風情を漂わせている。

 

妹の方はくりくりとしたよく動く青い目が人懐っこく、

いつでもケラケラ笑っているような子だった。

いつも娘を見つけると、

隣に座りたいとナニーに懇願する。

 

その日、私はいつもならベビーカーに座らせている一歳の息子を

珍しく <抱っこひも> に入れて、

帰りのバスに乗っていた。

 

妹の方が大きな瞳でじーっと私が息子を抱いている様を見ている。

そして、言った。

 

「あなたはなぜ赤ちゃんを抱っこしているの?」

 

「え?うんと・・そうね、

 彼はいま機嫌が悪くてこれがいいみたい」

 

すると、いつもあまりしゃべらないお姉ちゃんがすかさず言った。

 

「じゃあなぜあなたはベビーカーも持ってきているの?

 ベビーカーがあるのに抱っこしているなんて」

 

 

(・・・・・た、たしかに)

 

 

私からすると、たとえベビーカーに乗せていても、

ずっといい子に座っているとは限らない。

愚図って人さまに迷惑かけないように、

いざとなったらさっと抱いて移動できるように、

保険として抱っこひも。 

これ結構ありませんか?

 

日本ではよく見る光景でも、

幼い彼女には

ベビーカーという大きな道具がそこにありながら、

それを使わずして、

重そうなこどもを抱っこひもに入れている私は

明らかに奇妙だったのだ。

 

ちなみに。

バルセロナの住宅街で抱っこひもに息子を入れて歩いていると、

結構じろじろ見られた。

抱っこスタイルが可愛いというような視線もあれば、

珍しい、もしくは怪訝そうな視線もあった。

 

というのもこちらの人たちは、

ベビーカー(それも結構ごっついの)でどこへでも行くからだ。

バスにも4台は入るし、

スーパーも、デパートも、カフェもベビーカーでいっぱいだった。

赤ちゃん好きのお国柄。だれも拒まない。

 

ベビーカーにおしゃぶりをした赤ちゃんを入れて、

時にミルクや瓶詰の離乳食をあげながら、

悠々とカフェでお茶をする人たち。

 

メトロにはエレベーターがないところも多い。

石畳でぼこぼこした道もある。

けれど、どこでもベビーカーで行く。

 

日本のお母さんが赤ちゃんを抱っこ紐に入れて、

さらに両手にスーパーの買い物袋を提げて歩いているのを見たら

さぞびっくりすることだろう。

なんの修行なの?

重いのになぜベビーカーを使わないの?と。

 

うーーーん。

抱っこのほうが子どもが安心するから。

肩はものすごく凝るけど、それさえ我慢すれば身軽に動けるから。

人の手を借りずに済むから。

ベビーカーの赤ちゃんが騒いで、

周りの人に白い目でみられるという事態を避ける最終兵器として。

かな。

 

バルセロナを去るころには、

巻物のようなスリングにごく小さい赤ちゃんを入れている

ロハスな感じの奥さんもたまーーーに見るようになった。

デパートにも片隅に抱っこひもが売られていた。

 

ベビーカー主流のバルセロナでも

抱っこひもの良さを感じる人は増えているのかな?

きっと使う理由は、赤ちゃんと母親の快適性。

<人さまに迷惑をかけないため>ではなさそうだ。