3児のママが見たヨーロッパ

バルセロナ・ロンドン・パリで暮らしてきた3児の母からの欧州の風便り。長年の主婦生活で抱えていたいらいら&もやもやをコーチングがきっかけで払拭。あなたはあなたのままでいい。みんなちがってみんないい。一緒に「よい母親」より「幸せな母親」になりましょう。

バルセロナで見た3人家族のシルエット

バルセロナに来て最初の仕事は、娘を学校に朝夕送迎することだった。

4歳の娘の手を引き、8か月の息子が乗ったベビーカーを押しながら、

朝の通勤通学で混雑するバスに乗る。

 

とても混んでいても、ベビーカーでおずおずと進んでいくと、

自然と道をあけてくれて、バス中央部のベビーカースペースにたどり着く。

そこにいた学生たちもごく自然に場所を譲ってくれる。

 

学生くんに グラシャス ありがとう

彼も少し微笑んで デナダ どういたしまして 

 

今日も気持ちがいい。

 

そうして、ふう、、と落ち着き、

ベビーカーの息子が変にぐずりださないことを祈りながら、

アジア人を興味深げに見る視線にも笑顔で耐えながら、

車内の人や車窓の風景を見るのが楽しみだった。

 

その日もぼーっと外を見ていると、

とあるピソ(マンション)から一組の男女が出てきた。

朝の通勤に出かけるところといった感じで、

コートにストールを羽織った感じのよい男女。

2人は話しながらごく自然にキスをした。

見ると、最後に出てきたらしい2歳くらいの女の子とその男性は手をつないでいる。

その女の子の手にはぬいぐるみが握られていた。

 

お似合いの夫婦と小さな女の子。3人のシルエット。 

な、な、な、なーーーんかとっても素敵。

絵のようだし、映画のよう。

 

でも、どうして?どうしてこんなにもハッとしたんだろう。

 

それで気付いた。

日本だったら、「ママ・子ども・パパ」という風に、

サザエさん的川の字で手をつないでいる姿は見ることがある。

もしくは、

パパかママのどちらかが、

子どもと手をつないでいる姿も見ることがあるだろう。

 

けれど、

パパとママが並んで手をつないでいて(キスしていて)、

そのパパの手に小さい子がくっついてくるこのシルエットは

日本では見たことがなかったのだ。

(まあ人前でそういうことをしない文化ですが・・)

 

渡航すぐに見たこの3人家族のシルエットは、

強烈な印象を私に残した。

 

こちらでは家族における「夫婦」というものの意味が、

どうも日本と違うみたい。

「子どもありき」じゃなく、「夫婦ありき」なんだ、

きっと。

 

車窓から見た一瞬の光景はそんなことを感じさせたのでした。