出産奮闘記(日本)
一番上の娘を産んで退院する日のために 妄想していたこと。 それは、夏らしいワンピースを着て爽やかに 病院のロビーで我が子と写真におさまる光景。 出産をがんばるために、 その妄想のために、 出産直前、私は退院用のブルーのコットンワンピースを 買って…
2011年の3月11日の14時46分は、 3歳の長女がインフルエンザで幼稚園を休んで何日目かで、 私の大きなお腹には長男が入っていて、 私はリビングで娘を休ませつつテレビを見ていた。 揺れ始めたなと思ったら、なかなか収まらず、 ちょっと驚くよう…
ついにやりきったぜ・・・ おなかに座らされるように置かれた赤ちゃんは、 火の玉のように猛烈に熱くて、 ずしーっと重く、 「いのちの重さ」そのもののようだった。 両手を広げて泣くその姿は、 今の今までおなかに入っていたとは思えないほど大きい。 私は…
いよいよ、分娩台にのり、その時を迎えたときに、 早朝出勤組の助産師さんがわさわさとやってきた。 さっきまで助産師さん一人いるかいないかだったのに、 若い方、ベテランそうな方含め、 そりゃもうわっさわさやってきて、笑顔で私を取り囲み、 「さあ!が…
痛みを呼吸でなんとか流そうとして、深く呼吸をしすぎた。 手がしびれ、呼吸が苦しい。 やばい、これは過呼吸だな。 夫にビニール袋をもらうように依頼。 母が昔なって救急車で運ばれたのを見ていたから、 どうすべきかよく知っていた。 自分の吐いた息を自…
10年前の第一子出産。 無痛分娩推奨病院での、自然分娩当日がやってきた。 たしか夜9時半すぎに、恥骨上部にぐりぐりくる違和感。 待ってましたとばかりに時間を計ると うん。めっちゃ規則的。 おおおお!!!ついに来るべき時がきたか!! よっしゃやったる…
妊娠の経過は人それぞれ、とはいえ、 首都圏のあの満員電車通勤というのは、 健康な大人でも辛いのだから、 まして妊婦や、 その他心身の病気を抱えた人には本当に酷な場所だなと思う。 第一子妊娠中にはまだ仕事をしていて、 私は田園都市線を端から端まで…
9年前の1人目の出産は、 当時住んでいた家から最寄りの産院だった。 それがたまたま、日本では珍しく無痛分娩を薦める産院で、 無痛で産みたい妊婦さんが遠くからもやってきているようだった。 この産院の看板には、 各種分娩方法取り扱いと書いてあり、 無…
第1子妊娠中の話。 仕事が産休に入ったらどんどんお腹が膨らむから不思議である。 臨月は夏だったし、誰も目からも妊婦であることは明らかだった。 1人で電車に乗っていると、いかにも品の良い老夫婦が乗ってきた。 目と目が合って微笑みあう。 私の隣に奥…