3児のママが見たヨーロッパ

バルセロナ・ロンドン・パリで暮らしてきた3児の母からの欧州の風便り。長年の主婦生活で抱えていたいらいら&もやもやをコーチングがきっかけで払拭。あなたはあなたのままでいい。みんなちがってみんないい。一緒に「よい母親」より「幸せな母親」になりましょう。

母カフェParis☆1月の予定

メリークリスマス!

みなさんこんにちは。

パリで育児中のお母さんのための座談会カフェ

<母カフェParis>のともこです。

 

どんなクリスマスをお過ごしでしょうか。

わたしは外食での魚介にどうもあたったようで、

イブの夜は腹痛とのたたかい・・・

 

なんとか起きて、サンタさん代行業務を終え、

今朝、子どもたちの喜ぶ声で

ニマニマとしあわせを感じたところです。

 

今日は街も静かなことでしょう。

父子でご近所ぶらぶらしてきてもらおう・・・

 

 

さて、母カフェParis来月の予定です。

おしゃべりと出会いの場:母カフェ座談会を1回、

学ぶ場:母カフェ講座を1回開催します。

*座談会の参加費を変更していますのでご確認ください。

 

 

◆母カフェ座談会

日時:1月11日(金)10:00-12:00催行なし

   1月22日(火)10:00-12:00※残席3

場所:母カフェ@パリ15区*詳細は予約確定後にご連絡します。

対象:パリ近郊で育児中のお母さん。妊婦さんも可。お子さん連れ大歓迎。

参加費:5ユーロ*変更しています

定員:5名

申し込み方法:cafedesmamansinparis@gmal.comまで、ご希望日、ご本人のお名前、お子さん連れの場合は年齢(月齢)、携帯電話番号、どなたからのご紹介かをお書きになってご連絡ください。先着順につき、参加していただけるかどうかを折り返しご連絡いたします。

 

◆母カフェ講座 

タイトル:新春ワインセミナー新年会~スパークリングワインとともに~

日時:1月15日(火)11:00-13:30※満席にて開催

内容:ワイン&スパークリングワインの概要紹介、

   シャンパーニュやクレマンなど3種のテイスティング付き

   持参したランチでスパークリングをいただきつつワイン質問会も♪

   (昨秋から開催していた赤ワイン編、白ワイン編に続く、第3弾です。

    初めてのご参加も大歓迎です!)

講師:ブルゴーニュ在住ワインガイドYukaさん

YUKAさんがブルゴーニュの旅のお手伝いします | トラベロコ

費用:30ユーロ

定員:12名

申し込み方法:上記座談会同様メールにて。または、すでに母カフェメンバーによるFacebook非公開コミュニティに入っている方は、そちらのイベントページからご連絡ください。

 

 

1月の予定は以上となります。

一度でも母カフェにいらしたことがある方は、

ぜひFacebook非公開コミュニティ

<子連れ座談会カフェ☆母カフェParis>まで

リクエスト申請お待ちしております。

母カフェのイベント参加がボタン一つで可能です。

また、パリでの育児情報、食材情報、習いごと情報など

皆さんの投稿でもりだくさんとなっていますよ。

 

では、みなさまご家族で素敵なクリスマスを🌈

  

チェコのサンタさんに教えてもらったこと6

ドレスデンからプラハへ。冬旅行記。これまでのお話(1~5話)ーーーー

チェコのサンタさんに教えてもらったこと1 - 3児のママが見たヨーロッパ

チェコのサンタさんに教えてもらったこと2 - 3児のママが見たヨーロッパ

チェコのサンタさんに教えてもらったこと3 - 3児のママが見たヨーロッパ

チェコのサンタさんに教えてもらったこと4 - 3児のママが見たヨーロッパ

チェコのサンタさんに教えてもらったこと5 - 3児のママが見たヨーロッパ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

赤ちゃん含め、

一家総出で部屋を案内してくれるという

初のチェックインスタイル。

彼らはここに普段住んでいるわけではなく、

貸し部屋として購入したようだった。

 

 

家主の女性は、

ひとしきり案内を終えると

茶目っ気のある瞳でこう言った。 

 

 

 

「今日はね、ちょっとしたプレゼントがあるのよ」

 

 

 

そう言って、冷蔵庫を開ける。

 

 

 

ん・・・??

 

 

 

冷蔵庫には、頼んでいた朝食セット以外にも

大きなタッパーがいくつか入っていた。

 

 

 

「今日のあなたたちのディナーよ」

 

 

 

えっ・・・

 

 

え、えええええええええーーーーっ!!!!

 

 

 

 

「これはね、チェコ家庭の一般的なポテトサラダなの」

 

「で、これは魚料理。味をつけてマリネしてあるから

 フライパンで焼けばいいだけよ」

 

「それでこれはチェコのビール」

 (ピルスナーウルケルだ!知ってる!)

 

「そしてスパークリングワインもね」

 

 

真新しい冷蔵庫にきれいにならぶタッパーたち。

そしてドアポケットには、

お行儀よく並ぶウルケルとスパークリングワイン。

 

 

予想外すぎて、

目を丸くするばかり。

 

 

なに?どういうこと?

子どもが病気だって言ったから?

宿の人がこんなことをしてくれるの?

 

 

 

ドレスデンでどれだけ食べ物を探し歩いただろう。

今日もまた、

人けのないこのプラハの片隅で、

ぎすぎすと夫婦喧嘩でもしながら、

食料を探す旅をしないといけないと思っていたよお・・・

 

 

 

ここに全部ある!!ワインまで。。

感激で言葉がうまく出ないわたしに、

彼女はこう言った。

 

 

 

 「だって、今日はクリスマスだもの」

 

 

 

 

彼女の言ったこの言葉を思い出すと、

今でも、涙がこぼれそうになる。

 

 

 

そうか。

そうだったのか。

クリスマスってこういう日だったんだ。

 

 

 

マッチョなご主人は、パンを家で焼いているから

それをあと1時間くらいしたら持ってくるよと言った。

 

 

 

「あななたち旅行行くんじゃないんですか?」

 

「郊外の実家に行くだけだから大丈夫。

 ほしい薬とかあれば家から持ってくるよ」

 

  

最低限あるから大丈夫と伝えた。

なんと優しい人たちなんだ・・・

 

 

 

困っている時に

手を差し伸べてもらうことが

これだけうれしいことだったとは。

初めて知った気持ちだった。 

 

 

 

マッチョなパパは両手で持つほどの

大きな黒い雑穀パンのようなものを

使い込んだ穴あきの布巾に包んで持ってきてくれた。

ほんのり甘くてあったかいずっしりしたパンだった。

 

 

 

パスタも使いさしだけどあるよって。

明日には、近くのスーパーが開くことも教えてくれた。

チェックアウトは鍵置いておけばいいのね。

心からの感謝を伝えて、

お別れを言った。

 

 

 

夕食。

抱っこしているうちに寝た末っ子をベッドに置き、

ランチョンマットを敷いて、平皿を並べる。

ポテトサラダは栄養たっぷりの具沢山。

4切れの魚も丁寧に焼いた。

部屋中にいい匂いがする。

お皿にお魚とポテトを盛り付ける。

パンもスライスして食卓の中心に置いた。

 

 

キッチンの卓上バスケットには、

彼らがフルーツをもてんこもりに入れてくれていた。

そのとなりには、クリスマス柄の紙皿に

チェコの可愛らしいクッキーがいっぱい入って

ラップがかけてあった。

 

 

チェコのスパークリングワインのミニ瓶を開けて

夫とわたしのグラスに注ぐ。

 

 

なんということだろう。

病児とマック生活、

冷たいパンやお菓子をかじる生活から脱却して、

温かいお魚、手作りパンとワインで乾杯とは。

もう寒空の下を歩き回らなくてよいとは!

 

 

 

乾杯!と明るい声を出すと、

ここ数日、強ばっていた気持ちがほどけるようだった。

 

 

 

マリネしたあった白身魚を食べると、

めちゃくちゃ美味しい!

どうやって味付けしてあるんだろう?

 

 

ポテサラは普段小食の長男が「うんめ~」と

お代わりしている。 

美味しそうに食べる子どもを見るのって

こんなにうれしかったっけ。

 

 

あったかい食事がのどを通って、

ワインものどを通って、

感謝が体じゅうをかけめぐる。

 

 

I am blessed.

 

 

 

チェコの若いご夫婦のやさしさが胸にせまって、

食べているのに油断すると涙ぐんでしまう。

しあわせな気持ちだった。 

 

 

そうか、クリスマスってこういう日だったんだ。

初めてクリスマスの意味を分かった気がした。

 

 

だれかがだれかに<差し出す>ということ。

恵みに感謝するということ。

 

 

この人たちに会うために、

この旅に出たんだな。

 

 

 

 

 

末っ子はしっかり発熱し続け、

夜中にも抱いて寝かしつけたり、

嘔吐も何度かしたけれど、

洗濯機できれいに洗濯もできたし、

(しかもパリの家にはない乾燥機能つき!)

シャワーもきれいだったし、

ベッドも十分ひろくて、

タオルも十分足りていて、

こころゆくまで看病してくださいというような家だったから、

わたしは「夢のプラハ散策」は気持ちよく捨てて、

感謝しながら看病することができた。

 

 

翌日には、近所のコンビニみたいなスーパーで

鶏肉を買ってきてもらい、

寸胴鍋で大量の鶏スープもつくれた。

 

 

日に日によくなった末っ子は

最終日にはよく笑うようになっていた。

夫のすすめで、

わたしもプラハ見物に出ることができた。

 

 

あいにくの雨だったが、

スメタナのモルダウが大好きなわたしは

市民会館(スメタナホール)だけは行きたいと思っていた。

 

 

娘とチェコの路面電車に乗り、中心部へ。

わあ、そうかあ。これがプラハなんだあ。

 

真っ先に館内ツアーを予約しに行き、

ランチ後ガイドツアーに参加した。

 

その国、その国ごとに、独自の色彩があるなあ。

チェコの色合い。

ミュシャの手掛けた装飾。

素敵だ。

いつかまた、ここでモルダウ聴けたら幸せだろうなあ。。

 

  

さあ、パリに帰ろう!

 

 

実を言えば、

末っ子発熱中に夫も一日だけ発熱していた。

さらに、

帰りの飛行機の機内では、

はしゃぎすぎた末っ子が突然のジュースリバース( ;∀;)

 

しかし・・・

看病生活でカンが冴えわたっていたわたくし。

持っていたビニール袋でスーパーナイスキャッチ!

どこも汚れずに済み、ほっ。

 

もーーなんでもこいやー!!

旅の最後の最後までこれかー笑うわ・・・

 

末っ子は機上で爆睡し、

パリに着くころには元気いっぱいになっていた。

 

結果、家族全員、

元気に出発!

元気に帰宅!

 

 

旅行中だけ3人もふせってたって・・・ 

何しに行ったんだ(笑)

 

 

レストランも行けなかったし、

家族写真も撮れなかったし、

観光名所もぜんぜん周りきれなかった。

看病で肩も凝った。 

 

 

けれど、

短い時間でも、

ドイツのクリスマスを感じることができた。

鳩時計も買えた。

プラハでは夢の場所だけは見ることができた。

 

 

なにより、

チェコの若夫婦の思いがけない行動によって、

経験したことがないような

幸せな気持ちを味わわせてもらった。

 

 

あのプラハのアパートメントでの夕食は、

私にとってまぎれもなく、

人生で最高の<しあわせな食卓>だった。

 

 

 

 

< だって今日はクリスマスだもの >

 

 

 

この言葉。

ほんと今でも胸いっぱいになるのです。

ありがとう。

チェコのサンタさん。

あなたたちに会いに行ったんです。

あなたたちがくれた優しさをわたしも誰かに返せますように。

チェコのサンタさんに教えてもらったこと5

まじですか・・・

 

娘が峠を越えたと思ったら、

末っ子が熱い。

ありがたいことに機嫌はそこまで悪くない。

けれど熱い。

うーむ・・・

 

 

何事も計画して、

予定通りいくことが好きな夫は、

なんだかすでにお疲れ気味。

楽しみにしていた観光がみんなでできないことにも

落胆しているようだった。

彼はいつものように旅先でのジョギングに出た。 

 

 

その日宿泊予定のプラハの宿もアパートメントスタイルだ。

(キッチン付きは朝食を簡単に済ませられるし、子連れには何かと便利)

いつものようにBooking.comで申し込んだ個人でやっている宿だった。

 

 

本当は、午前中に最後のドレスデン観光をし、

プラハへ移動する予定だったが、

「病児2人」という現実。

もう観光はなし。

 

 

ゆっくり出て、

途中のサービスエリアでランチを済ませて、

プラハ着くのは13時かな。

 

 

宿のオーナーさんからショートメールがきた。

 

 

「あなたたちが着いたら私たちは

 クリスマスホリデー旅行に出かけるので、

 何時に着くか教えてください」

 

 

「クリスマスでお店がしまっています。

 レストランは開いてるところを予約できます。

 もし、朝ごはんが心配だったら、

 あなたたちの代わりに食材を買っておくこともできます」

 

 

ショートメールを打ち返す。

 

 

「子どもが体調不良なので、予定を変えました。

 13時ころ着いても大丈夫ですか?」

 

 

「そして、朝ごはんもお支払いするので、

 買っておいてもらえると助かります。

 パン、卵、牛乳、オレンジジュース、りんごジュース、

 ハム、バター、ヨーグルト、プチトマト・・」

 

 

「分かりました。待っています」

 

 

やれやれ。

今日はクリスマスだ。

こどもは2人熱。

レンタカー移動。

知らない街。

宿は中心部から外れている。

ふう。。。

今日も大変そうだ。

 

 

末っ子にあたたかく着せて、

いまいちな雰囲気のままみんなで車に乗り込んだ。

プラハはすぐだった。

 

 

薬のせいなのか、自然な回復だったのか、

娘は車の中でかなりよくなっていったようだった。

反対に末っ子の熱はほんもののようだった。

早く宿で休ませてあげたい。 

 

 

宿のあたりは

中心部から路面電車で郊外へ来たような場所で、

退廃的な雰囲気が漂っていた。

ひと気なし、お店無し、活気なし。。

素敵なプラハとは程遠かった。

 

 

それでも、約束した場所にちゃんと女性が待っていてくれた。

スエットのような恰好をした若い女性だった。

駐車場に車を停めて女性とアパートへあがった。

 

 

アパートは近代的できれいだった。

案内された部屋の扉を開けると、

予想に反して中に人がいた。

 

 

にこっとしたマッチョな男性、

2歳児、

持ち運び用チャイルドシートに入った赤ちゃん。

よく見ると、さきほどの女性も

ものすごく鍛えられた身体をしている。

 

 

戸惑う私と旦那。

ん??これは?

彼らが暮らしている家なの??

え?一緒に暮らすの?(なわけない)

 

 

鍵を渡されて、部屋を案内される。

女性が私に部屋のあちこちを見せてくれた。

インターネットで見た通り、

黄色がアクセントカラーになった部屋は、

清潔感のあるとても明るい部屋だった。

 

 

ベッドメイクも完璧。

部屋に私物もない。

うん。宿だね。 

 

 

廊下に家族写真がかかっている。

タトゥーが入ったマッチョな2人の恋人時代の写真、

結婚式の写真、それに子どもたちの写真。

自然な笑顔があったかい家族写真だった。

 

 

このアパートは新しい物件だそうで、

どこもかしこもきれいだった。

キッチンには食器各種がきれいにおさまっており、

食洗器の洗剤のありかも教えてくれた。

行き届いたアパートメントホテルがそうであるように、

お塩やオイルなど最低限の調味料もそろっている。

 

 

清潔な洗面所には洗濯機もあり、

洗剤のカプセルが必要数(数個だけ)おかれていた。

タオルも新しいものが可愛くレイアウトされていた。

 

 

プラハ郊外に立てられたごく普通のマンションの一室。

けれど、おそらく彼らのセンスがよいのと、

なんていうんだろう。

部屋の隅々まで彼らの気持ちが

行きわたっているような部屋で、

実に気持ちの良い部屋だった。

 

 

よかった・・・

病児とおこもり生活必至というのに、

部屋がいまいちとか凹み過ぎるもの・・・

 

 

マッチョなご主人は、

夫にWIFI接続のことなどを説明していた。 

 

つづく。。。

 

 

*最終話はこちらから↓

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

チェコのサンタさんに教えてもらったこと4

旅先でのクリスマスイブがマック三昧・・・

宿で熱を出している娘・・・

クリスマスマーケットは見物前にすでに撤収作業・・・

家族の雰囲気はいまいち・・・

 

 

凹み要素いっぱいだったが、

この状況を悲観せず

受け入れることに努めた。

 

 

 

翌朝には、

マックの残骸もなくなり、

わたしは家族の朝食を入手するために、

早朝から1人歩きに出た。

 

 

今日は12月25日。

ますますどこも開いていないよなあ・・・

 

 

いやーそれにしても・・・

ドイツのクリスマスマーケットに来て、

肝心のメイン会場に入れずに終わるってうける・・・

家族旅行に来て、1人でマックに並ぶってうける・・・

 

 

いやいや、

でも初日はみんな元気で

素敵な広場のクリスマス市をひと通り楽しめた。

食べるもの食べたし、飲んだし。

オペラも、ドイツ国民のすばらしい合唱も聴けたしね!

 

 

それに、

普通は子連れでしか歩かないのに、

1人で街を歩ける時間はかえって貴重なのでは?

せっかくなら散歩を味わおう。

娘はぐっすり寝てるんだしね!

 

 

 

できなかったことを考える意識から、

できること、できたことを考える意識へ。

ふっきったように、

ドレスデンという街を味わいながら歩く。

ひとけのない朝のドレスデンで風を感じながら歩く。

 

 

それにしても、

どっちに行けばお店がありそうか。

まるで分からない。

 

 

携帯も自由に使えないから、

方向音痴としては変に遠くへ行くのはまずい。

 

 

いつのまにか昨日のマックの近くまで来ていた。

あまりにどこも開いていないので、

今日もマックかな・・・

 

 

だが、

さすがのマックさまもその日は閉まっていた。

そりゃ働いているひとも休みたいよね。 

そもそも道に人がいないもの。

 

 

道の反対側に渡ってみた。

ちょっと奥まった小さな広場のようになったところに

赤いひさしの感じのよいブラッセリーが

開いているのが見えた。

テラス席もあり、人がいる気配がする。

 

 

ついに見つけたーーーーーー!!!!

 

 

地元のおじいちゃんって感じの人がパンかじりながら出てきた。

クリスマス当日に営業している表彰されてもいいようなパン屋さん。

わたしは希望にあふれて意気揚々とお店に入り、

サンドイッチや、オレンジジュース、

娘にも食べれそうなものを買った。

シュトーレンが窓辺に並んでいるのに気づき、

シュトーレンも入手。ドイツやし!

これでドイツともお別れだし!

 

 

だが、

ドイツ語でのあいさつは下手すぎたのかスルーされ、

こちらでは珍しくカードが使えないお店で、

手持ちの現金では足りないことが分かり、

謝りながら高額だったシュトーレンを返品。

思いっきり嫌な顔をされるしまつ。

ふう・・・

対応はいまいちだったが、そんなことにはめげなかった。

 

 

私は、母として、

お腹を空かした子どもたちに

食料を買う必要にせまられていた。

 

 

感じの悪い店員さんなんてどうでもよかった。

ありがとう!よい一日を!

堂々と言って出た。

 

 

店員さんの代わりに

店内で食べていたカップルが

素敵な笑顔をむけてくれた。

 

 

よっしゃ。

5人分の朝食ゲット。

いやードイツ語分からんわ。

やれやれ。

 

 

さあ帰るか。

 

 

ん?

昨日ゆっくり見れなかったお土産物やさんだ。

開店時間になったんだな。

今日営業しているとはさすが観光客相手のお店だ。

 

 

見たいなあここ。

昼前にはドレスデンを出ちゃうんだ。

ちらっと入ってみよ!

 

 

ああかわいい!夢の世界ね。

どれもこれも可愛い。けどそうねえ。

絶対これ!っていうピンとくるものがないなあ。

 

 

お!昨日見た鳩時計だ。

いや~高いんだね、鳩時計。

手作りだものね。

 

でも、そういえばパパが

鳩時計なら買ってもいいよってぼそっと言ってたな。

なんでだろ。

 

 

ん?あらあらら♪

このエーデルワイスのような花がちりばめられた小さい時計。

これも鳩時計なのかな?

どれくらいのお値段なのかな?

ん?お、一桁少ない!

え?買っちゃう?

 

 

そこへ旦那から電話。

 

 

「あのさ、せめてもの記念に鳩時計買ったら?」

 

 

いいの?(買う気満々)

 

 

老人になった自分がベッドから起きると、

この時計が壁にかかっている、

そんな光景が浮かんだ。

 

 

はい。じゃあこれ買います。

私やけになってるのかな。

病気旅行の思い出に!

食料難民となった旅の思い出に!

 

 

感じのよい女性が包んでくれた。

うれしいな。

 

素敵なドレスデンの思い出が買えた。

うれしいな。

 

 

朝、ため息つきながら宿を出たが、

「食べ物入手」という目的を果たせたこと、 

ドレスデン観光半日という想い出に

気に入ったものに出会えたこと。

それでなんだか満たされた気持ちで宿に戻った。

 

 

マックに飽き飽きしていた家族は、

たとえパンでも違うものがやってきて色めき立った。

 

 

娘は峠を越えている感じがあって、

菓子パンを食べることができた。

 

 

うん。悪くない悪くない。

きっと旅は大丈夫。 

 

 

レンタカー移動する間、

楽でいられるように娘にパブロンを飲ませた。

さあ、移動は小一時間。

プラハは楽しもう!

 

 

そのときだった。

あれ?

末っ子くん、ちょっと熱いんじゃないか?

 

 

つづく。。。

 

*5話目はこちら↓

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

チェコのサンタさんに教えてもらったこと3

旅先のドレスデンでの朝。

ベッドの娘の様子がおかしい。

顔が赤い。

頭が痛いとすでに泣き声である。

 

 

ひーーーーーーーー


きたーーーーーーーーーーーっ!!!!

 

 


体温計あるよ。
うんしっかり熱あるね。
うんうん寝ようか。。。

 

 

きたかきたか。

旅先での発熱。

旅行まだ2日目。

やはりパリにいた方がよかったのか。

ちーん。。。

 

 

知らせると、夫は、え~まじで?と。

まじっす。

 

 

え~!って言ったって仕方ないし。

父&長男で観光しといで、と追い出す。

 

 

いやはや。今日はクリスマスイブ。

家族でレストランでもと思ってたけど無理やな。

男性陣戻ったら食材を買いに行こう。

このアパートメントのキッチンでどうにでもできるだろう。 

 

 

ドレスデンで1人買い出しか。

ん?あれ?昨日開いていたスーパーがしまってる。

あれ?ここも開いてない・・・・

そっかークリスマスイブだから全部閉まってるのかあ・・・

どーしよーーー

今日の食事どーすんの?

 

 

いいよ。

昨日行けなかったクリスマス市のもう一つの会場の方に行って、

屋台のものなんか買ってくる!!

 

 

あっち方面に一人で行くのか・・・

方向音痴だから嫌だなあ・・・

なんて思いながら、

1人でドレスデンの街をさまよう。

 

 

クリスマスディナーとうたって

レストランは開いているところも結構あった。

でも商店という商店が閉まっていた。

そりゃ働いている人たちだって休みたいよね。

 

 

さあ!

クリスマスマーケットで食料を!

 

 

・・・・え?!

あれれ??

もう撤収作業してるじゃーーんっ涙

 

 

今日は24日だよね?

「12月24日まで」って謳っといて、

24日は午前中だけかいっ!!!

 

 

近くのデパートみたいなところも閉まっている。

あちゃーー完全に食なし??と思ったそのとき、

そこから見えたのは光り輝く黄金のマクドナルドのマーク!

営業してる?!さすがマック!!

神様!マックさまーーー!!!

 

 

店内は同じような食事難民がたくさん買いに来ていて、

それはそれは長い列になっていた。

 

 

ひえーみんなを待たせるなあ・・

しかも病気の娘にマックかあ・・・

でも選択肢ないから仕方ないよね・・・

 

 

5人分のマックを手に見知らぬ街を歩く。

ドレスデンが分かりやすい街でよかった。

一人でもなんとか宿にたどり着けそうだ。

 

 

顔の赤い娘にマックのバンズをちぎって渡す母。

ナゲットいる?

そりゃいらんよなあ・・・・シュールだ。

水分取って寝とこうか。

 

 

お水もある。

昨日買ったオレンジジュースはあとちょっとある。

ヨーグルト少し。

 

あーおかゆでもつくってあげたいのに。

情けない気分。

昨日のテンションはどこへやら~ 

 

 

娘の周りではしゃぐ息子たちを叱る。

静かにしてあげなさいっ!

うつるから近づかないっ!!

 

 

iPadでテレビ視聴モードに入った夫に、

音を小さくしてあげてっ!!

 

 

 

ふう・・・・

気持ちがだんだんささくれだってきた。

しんどいのは娘だよね。

 

 

明日はプラハへの移動日だった。

 

つづく。。

 

 

*4話目はこちら↓

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

チェコのサンタさんに教えてもらったこと2

ドイツはドレスデンに着いて、

家族5人でクリスマス市を歩く。

 

は~かわいい・・・

 

フランスにあるものとまた全然違う。

木のおもちゃ

木のオーナメント

木のオルゴール

くるみ割り人形・・・

 

ほっこりあったかい雰囲気。

 

たいして期待していなかったホットワインは、

スパイスが効いてて甘くて

寒さの中、とんでもなく美味しく感じる。

ほほ~

 

ソーセージ入りのパンを頼んだら、

めちゃくちゃ大きい。

上2人とベビーカーの末っ子が取り合うように食べる。

 

 

おいしい!!!!!

 

 

パン派の息子も米派の娘もよろこんで飛び跳ねる。

パンがフランスと違うね。

国またぐと全然違うからやっぱり楽しいね!

 

 

お母さんあそこの屋台見たいからいっていい?

あーテンション上がる~

いいね旅

 

 

歩いているとどこからか

美しい歌声が聞こえてくる。

どこ?

 

 

小さな広場にオペラを歌う男女がいた。

とり囲む人々。

 

 

これ無料で聞いていいんですか?

ほれぼれするほどの歌声が

石畳の街に舞い上がり、

空にすーっと吸い込まれていく。

 

 

音楽の国の街角で聴くオペラ。

子連れだからと音楽会は鼻からあきらめていたけれど、

道でこれを聴けるのか・・・

 

 

数々の偉大な音楽家を輩出してきたドイツ。

脈々とつづく音楽の歴史と人材の厚さを

道端の演奏から感じる。

 

 

それにしてもなーんて気持ちいい声なんだろう・・・

コートにニット帽、マフラー&手袋姿でありながらも

気品漂い、麗しい男女の歌声。

いくらだって聴いていたかった。 

 

 

薄暗くなってきたら、

大きな広場にはコンサート支度ができていて、

オーケストラがクラシック音楽を演奏し始めた。

 

 

それを囲むドイツの人たちの人だかり。

あたりはすっかり暗くなっていた。

ホットワインを片手に

老いも若きもクラシック演奏を聴いている。

 

 

そして、静寂ののち、

周りの人たちが一斉に歌い出す。

響きわたるドイツ国民の歌声。

ものすごい一体感だ。

 

クラシック音楽ってドイツの人たちの

年中行事と生活の一部になっているんだな。 

 

クリスマス装飾の美しい光を背景に、

一般市民が響かせる分厚い歌声が

夜空にのぼっていく・・・

 

暗闇と、

美しい旋律と、

ドイツ語の音。

 

今どの時代にいるのか?

分からないような錯覚におちいり、

ぶわーーーーーっとなんとも言えない感動がおそってくる。

 (夫もこのときばかりはすごいと感嘆していた)

 

 

いやードイツってこういう国なんだな。

フランスともスペインともイギリスともちがう。 

いいものを見せてもらったなあ。

 

 

借りたアパートメントに戻り、

はしゃぎまくる子どもたち。

 

 

いやーよかった。

パリを脱出して。 

 

 

ところが、

調子よくいったのはここまでだった。

 

翌朝。

あれれ?

我が家の病人同伴旅行が始まった。

 

 

つづく。。。

 

*3話目はこちら↓

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

チェコのサンタさんに教えてもらったこと1

欧州の冬はどこへ行っても寒いし、

学費捻出にもなるし、と

パリに来てから毎年、

家で冬休みを過ごしていた我が家だったが、

昨年は思い切ってクリスマスに旅行に出た。

 

いつもと同じだらだらした冬休みを過ごすのが

なんか猛烈に嫌だったのだ。

 

行き先は、ドイツの古都ドレスデンと

そのお隣の国、チェコのプラハ。

 

毎度のごとく私が決めた。

 

プラハはぜひ行きたい街だった。

憂いを含んだ美しい街というイメージ。

ドレスデンはプラハから車で1時間。

ドイツで有名なクリスマスマーケットもやっている上、

見ごたえのある古都のようだった。

 

チェコとドイツでクリスマス。

うんいいかんじがする。

 

パリからプラハまで飛んで、

そこからドレスデンに行ってもよかったが、

ドレスデンのクリスマス市は12月24日までとある。

 

終わるの早っ。

 

うーん、前日の23日からしか動けない我が家。

 

 

こうすることにした。

プラハへ飛んですぐレンタカーでドレスデンへ。

終了ぎりぎりのクリスマス市を見物して宿泊し、

その後、レンタカーでプラハに戻る。

 

プラハのクリスマス市は、

年明け6日までやっているというから安心だ。

 

OK

 

この旅がどんな旅になるのか。

このときの私は予想することもできなかった。

 

 

つづく。。

 

 

*2話目はこちら↓

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

パリが大嫌いなおじさんの話3

前々回のお話はこちら↓

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

前回のお話はこちら↓

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

そのフランス人のおじさんは、

私と会うたびにパリを悪く言うのだが、

それは私が外国人だから言いやすかったんだろう。

 

「今日はあたたかくていいですね」と言っても、

「でも、このあたたかさも今日で終わりさ」と取り付く島もない。

 

 

私だって、

例えばパリの路上の不衛生さに辟易しているのだが、

先に、あれだけ言われてしまうと、

 

「そう、道だって汚いですしね!」とは言わず、

 

「そうですよねえ。

 でもまあいいところもあると思いますよ」

 

なんて言っちゃうところが、

人間っておもしろいもんだなと思う。

 

 

とにかく、

おじさんの挨拶がわりのパリバッシングに

わたしもすっかり慣れていた。

 

 

そんなネガティブ発言連続のおじさんが

一度だけネガティブ要素ゼロの会話をしてくれたことがある。

 

 

おじさんは手にセピア色の写真を持っていて、

エレベーターでそれを私に見せてくれた。

 

 

「これ誰だと思うかい?」

 

 

そこには、

目鼻立ちのはっきりした美しく若い女性と

育ちのよさそうな品のいい男性が寄り添って写っていた。

女性の顔は、そのおじさんに似ていた。

 

 

「あなたのご両親ね!」

 

 

おじさんは、笑顔で大きくうなずく。

 

 

「お母さまほんとにきれいな人。

 あなたに似てる」

 

 

そうでしょ?と

誇らしそうに自分の顔と

写真を並べて見せてくれる。

 

 

「あのいつも連れているOld Ladyは、

 かつてこんなに美しかったんだ。

 その貴重な証拠さ」

 

 

どうしてそのとき、

その写真を持っていたのかは分からない。

どことなく喜々としながら自分の階で

エレベーターを降りていくおじさん。

 

「よい一日を!」

 

 

あ、おじさん今日はあの言葉言わなかったな。

幸せそうな顔してたな。

私までほんわかした。

 

 

 

おじさんは、

カリフォルニアにずっといたかったが、

母親の体調が悪くなって一緒に暮らすために

パリに戻ってきたこと。

 

パリに来てから、奥さんが働き、

自分は、通院、薬局、散歩、看病、買い物の日々で、

ずっと母親といる生活だということ。

 

カリフォルニアでは、

仕事して、結婚して、子どもを育てて、

幸せな思い出がいっぱいあること。

 

そんな話や近況を

会うたびにちょこちょこ話してくれる。

 

 

パリが嫌いで、

カリフォルニアという土地が好き。

 

 

という簡単な話じゃなかったんだな。

 

 

彼の人生の輝かしい時代の舞台が

カリフォルニアだったんだ。

それを太陽の陽射しとともに覚えているんだろう。

 

そして、今の生活や

母親が変化していくことへのつらい気持ちが

パリのすべてを嫌なものに思わせているんだろう。

 

 

おじさんは、

いつも気長に散歩に付き合って、

母親にイライラした様子を見せたりするところを

一度も見たことがない。

他人にも紳士的な人だ。

 

 

私は通りすがりの存在だが、

人生のいろいろな面を見せてくれる

おじさんとの会話をひそかに楽しみにしている。

 

おじさんにとっても私との少しの会話が

リフレッシュになっていたらいいのだけども。

 

 

美人のお母さまとご家族で

よいクリスマスとなりますように。