3児のママが見たヨーロッパ

バルセロナ・ロンドン・パリで暮らしてきた3児の母からの欧州の風便り。長年の主婦生活で抱えていたいらいら&もやもやをコーチングがきっかけで払拭。あなたはあなたのままでいい。みんなちがってみんないい。一緒に「よい母親」より「幸せな母親」になりましょう。

母カフェParis☆4月の予定

みなさんこんにちは。

パリで育児中のお母さんのための子連れ座談会カフェ

母カフェ☆Parisのともこです。

 

もう4月ですね!

日本の桜や入園・入学式などの写真をSNSでもよく見ます。

新しい生活が始まるドキドキワクワク♪♪

そして、お母さんたちのバタバタ(笑)

 

入園、入学前は、そろえるものそろえたり、縫物したり、、

入ったら入ったで、子どもが楽しく通えるか心配したり、

実際ぐずっている子をなだめたり、、

みなさま、おつかれさまです!

 

 

こちらでは、

6月に学年末を迎えるので、新学期という雰囲気は皆無です。

が、、

我が家は、今月から末っ子を一般の託児所から

現地の公立幼稚園に編入させましたので、

ちょっとした新学期感を味わっています。

 

 

さて、大変遅くなりましたが、

4月の母カフェ日程をお知らせします。

いつもの座談会形式の母カフェを2回実施しますね。

 

実施する4月後半はフランスの学校はホリデーです。

よって、我が家の子どもたち(10歳・6歳)も家にいます。

ですから、もし、上のお子さんが家にいるという場合にも

遠慮なく一緒にお連れになって遊びにいらしてくださいね。

 

 

★日時:4月20日(金)10:00-12:00 ※満席

    4月27日(金)10:00-12:00 ※満席

 
★場所:パリ15区(詳細はお問合せください)

 

★対象者:小学生以下のお子さんをお持ちのお母さん、妊婦さん、子連れも大歓迎
 

★参加費:3ユーロ(お茶&お茶菓子付き)

 

★定員:各回5組



いずれの回も
cafedesmamansinparis@gmail.com
までお名前、お子さん連れかどうか、携帯番号を書いてお申込みください。
先着順にて、参加いただけるかどうかを返信させていただきますね。


以下、ご参考まで(^^

母カフェってなあに?↓↓

 

tomo-rainbow.hatenablog.com

 




参加された方からのご感想↓↓

 

tomo-rainbow.hatenablog.com

 


では今日もよい一日をお過ごしください♪

YESとNO返事の仕方で感じる文化の違い

外国の人と英語などで会話をするときに気を付けた方がよいのが

YesとNoの返事。

 

へ?単純では?と思いきや

日本式に返事をしてしまうと、あれれ??

混乱を招くことがあります・・・

正直いまだに慣れません・・・

 

 

例えば、

 

「それいらないの?」

 

と聞かれた場合、日本語では、

 

「うん。いらない。」

 

と最初の返事は Yes で答えます。

うんと、うなづくときだってありますよね。

 

 

でも、英語で

 You don't need it ,do you?

 

と聞かれたら、返事は

No,I don't

 

〈いらない〉という自分の意見に基づいて、

〈NO〉で返事を始めるのです。

 

 

これが簡単なようでとっさに言えないんですよ・・・

つい相手のいらないよね?に対して「うん(いらないよ)」と首を縦に振ってしまう・・

そして、相手にあら要るのね!と思わせるという・・

 

私たちが「うんいらないよ」と言うときの「うん」は

あなたに同意していますよ、という意味ですよね。

外国人のお母さんと話していて、

うんうんそうそう!と同意しまくってると、

え??

となる場合があるんです。

 

 

返事の仕方で文化の違いを感じます。

 

日本語は相手の質問内容に対して<同意するかどうか>で返事をする。

英語は<自分の言いたいこと>に基づいて返事をする。

ってところでしょうか。

 

 

6歳の息子はいつも家で日本語しか話しませんが

インター校に通っている影響か

会話しているとたまに私とズレが生じます。

 

私「ねえ、これもう食べないの?」

 

息子:頭を横にふる

 

私:「なんだいるのね」

 

息子:「いらないってば」

 

・・・・・・みたいなことです。

 

 

外国語で人と話すときには、

自分を主体にして返事をするぞーとものすごく意識しています。

相手に合わせるのではなく、自分の意見。

いい訓練かも!?

 

7年前と7年後の3.11に思ったこと

2011年の3月11日の14時46分は、

3歳の長女がインフルエンザで幼稚園を休んで何日目かで、

私の大きなお腹には長男が入っていて、

私はリビングで娘を休ませつつテレビを見ていた。

 

揺れ始めたなと思ったら、なかなか収まらず、

ちょっと驚くような大きい揺れがきて、

ついに東京直下型が!?と国会中継だったNHKにすると、

 

 

宮城県??

 

 

 

それでこんなに大きいの??

 

 

外へ出るドアがゆがんで出られなくなるといけないと、

娘を連れて、玄関のドアを開けに行ったのだけど、

大きな揺れで廊下をまっすぐ歩けない。

右に左に体をぶつけるようにして歩いて。

娘は「ママーーーおうちがこわれちゃうーーー」と泣き出した。

 

停電し、テレビは消えた。

 

もしかしたら避難することになるかもしれないと、

玄関ドアを開けたままにして。

寒さをしのぐために娘にも自分にもダウンを着せて。

靴も履いて玄関に待機した。

夫に携帯がうまくつながらない。

 

いったいどうなるんだろう。。

そこから始まったあの日。

 

 

停電しているのでブレーカーを落として過ごしていたら、

外が暗くなってきて

向かいのマンションの明かりがついていることに気づいた。

 

ブレーカーをあげて、

テレビをつけると、

こんな言葉が耳に入ってきた。

 

 

「今入ってきた情報によると、

 〇〇海岸に200近い遺体が確認できるということです」

 

 

 

  ・・・・・・・・

 

 

 

 へ?

 なんやて?

 これはなに?

 神隠し?

 この時代にこんなことが??

 

 

信じられない。

現実とは思えない。

 

 

心の底から震えるような感覚におそわれる。

思わず両手を合わせてテレビ画面を拝んだ。

テレビを見ながら合わせた手が離せない。

 

 

なんということ。

なんという恐ろしい光景。

口をあんぐり開けて画面を見つづける。

 

 

想像を絶する事態。 

断片的な情報で全体を理解しきれない。

 

 

ただ、人生で経験したことのないとんでもないことが

この日本に起こったことだけは分かった。

 

 

その後分かった原発事故のこと。

色々な情報が交錯して、

この水道水が危ないのか?と疑った日。

この空気が危ないのか?と不安になった日。

 

(人間が生きていく上で欠かせないもの、避けようのないものの

安全を疑わなければならない恐ろしさといったら・・)

 

 

 

そして、

テレビには毎日毎日、大切な人を探す人の姿が。

ある日、あるお父さんがインタビューを受けているのが目に留まる。

その人は長女と同じ年頃の小さな女の子を抱いていた。

 

「妻が、、、妻は妊娠していて、、

 七カ月でお腹が大きいもんで、、

 津波がきたところにいて、、、、

 多分走れなかった、、、、、、、、と。

 でも、、この子が待ってるんで、、、 」

 

うつむき嗚咽を殺す

そのご主人の悲痛な叫びを聞いたとき、

私は突如、大きな渦の中に自分が入った気がした。

 

小さな女の子。夫。妊娠七か月の妊婦さん。

私と同じじゃないか!

流されたその人は私だったかも知れないんだ!

 

これは画面の中で起こったことじゃなく、

同じ日本で、

同じように生きている人に起こった

本当のことなんだ。

 

なんてことだろう。ああなんてことだろう。

涙が止まらなかった。

 

 

通りで友人知人に会うと震災の話になり、

一緒に涙することもあった。

 

乾電池やトイレットペーパーを買いためる人たち。
現地へ物資を送る企業や個人の動き。


そうか。

お医者さんや自衛隊だけじゃない。

おむつでも歯ブラシでも段ボールでもレトルト食品でも

それぞれ快適に生きる上でありがたいもの。

お風呂だって、タオルだって、ビニール袋だって

道だって橋だってぜんぶぜんぶ。

 

みんなそれぞれに<役割>があって、

その役割をみんなが果たすから社会が回っていたんだ。

 

企業から個人事業主、主婦にいたるまで

それぞれがなんて誇るべき仕事なんだろう。

ずっと誰かが誰かを支えていたんだ。

 

当たり前のことを初めて理解した気持ちになった。

 

 

計画停電が何度も行われ、

ろうそくの夕食と、懐中電灯での絵本読みも複数回経験したが、

そんなことは現地の人たちのことを考えたらなんでもないことだった。

 

 

泥の中のお子さんを早く見つけたい一心で

重機の免許を取ったお母さんもいた。

自らショベルで掘って我が子を探す母の慟哭と痛いほどの気持ち・・・

言葉がなかった。

 

 

震災の映像やニュースは妊婦の体にさわるといけないし、

見なくていいという人もいた。

でも、私は「見るべきだ」と思った。

同じ時代に生きた者として

見て、感じて、それを後世に伝えなくてはいけないと思った。

 

 

同年の7月のある日。

私は、長男が生まれてくる陣痛中。

テレビのインタビューで知った津波に流れたかもしれない

名前も知らない妊婦さんのことを考えていた。

 

繰り返される痛みの波にのまれながら、

その人が産めなかった命をちゃんと産もう。

そう考えていた。

 

 

 

また時が流れて、2018年3月11日。

こちら時間の午前6時46分。

東の空へ合掌。

 

そして私は、夫と子ども3人と

久しぶりに晴れたパリの公園にいた。

滅入るほど天気の悪い冬のヨーロッパ。

天気が少しよいだけで気分がいい。

 

夫はせっせとハンバーグをつくり、

買ってあったチーズとバンズをバスケットに放り込んだ。

お茶も水筒に二本分いれてある。

私はオレンジとイチゴを切ってタッパーに入れた。

 

着いたらいつもの芝生は養生のためか入れないようになっていた。

でも別の場所に移動して、なんとかレジャーシートを敷いた。

 

あ!箸忘れた!

 

夫が指先で自作のハンバーグをつかみ、パンにはさむ。

待ちきれない男子。

米派の長女はおにぎりもあることをしっかりチェック。

私は日差しがあたたかくうれしくてコートを脱いで、

靴下も脱いで、Tシャツ姿で日を浴びた。

 

散歩中の老夫婦にボナペティ~と声をかけられる。

 

メルシー!

おいしいね~

気持ちいいね~

 

食後はスケートやら滑り台やらでみんないなくなった。

私は母親業をお休みし、読みたかった本を広げる。

3月11日の空はきれいで。

 

 

幸せだなあ。

うん。

 

 

同時代に生きていた2万人の人々が去って、

私に何ができるのか。

 

 

今を生きる歓び。

 

それを味わって生きよう。

自分の心の手綱を自分の手にもって、

幸せを感じられる自分でいよう。

この世界の中の私の役割を果たそう。

  

 

古い記憶で曖昧なところもあるメモですが、

お空の皆さんのことを忘れないように

ここへ記しておきたいと思います。

 

合掌。  

 

 

 

長男に雷落としたら次男にダメだしされました

少し前の話。

来客があり、夕食が思いのほか遅くなってしまい、

簡単に鍋を作って、いただきますをしたら、

長女と次男はパクパク食べているのに、

6歳の長男だけ手を付けない。

 

「どうしたの?」と聞いたら

「お腹すいたあーーー」とのたまう。

 

いやいや、目の前にご飯あるでしょ。

 

「お腹すいたー」と彼はまた言った。

 

 

「そこにあるものを食べてー」

 

 

・・・ 

 

 

「疲れてんの?」

 

 

・・・

 

 

「好きじゃないご飯だった?」

 

 

・・・

 

 

何も言わない。

全く手をつけない。

 

 

「もう遅いから早く食べちゃって」

 

 

すると、また

 

 

「だ・か・ら!お腹すいたーーーー!!!」

 

 

 

はああ?????????

なんだと???

 

 

「そう。お腹がすいたのね」

 

 

「だからお腹すいたーーーーー!!!!」

 

 

 

こちらの質問には一言も答えず、

お腹すいたー!を大声でくり返す息子に

久しぶりにスイッチ入りました~

 

 

「いいかげんにしなさいよっ!」

 

 

 

息子は涙目になってじーっと私を見ている。

でも相変わらず、手をテーブルの上に出そうともしない。

 

 

 

「あのね、食べないなら席を立ちなさい!」

 

(もー早く食べて寝かせたいのにいらいらするなー!)

 

 

すると、

横でぱくぱく食べてる3歳児が言った。

 

 

 

「おかあさんてうるさーい!」

 

 

 

へ??

わたすぃですか??

 

 

 

「おかあさんがうるさいの?」

 

 

と聞くと、3歳児は小声で言った。

 

 

「うるさいだよ。

 おかあさん、ちいさいこえでおはなししてね。

 おっけ!?」

 

 

ぶはっ!

思わず笑いがこみあげる。

 

 

「えーおかあさんがうるさいの~?(おにいちゃんじゃないの?)」

 

「そうだよ。うるさいだよ」

 

「おっけ。ごめんね。〇〇におこられちゃったよ~」

 

 

長男の表情が若干ゆるんだ。

でもまだ食べれないでいる。

 

私の怒りは末っ子に笑わせられたおかげで

どこかへ行っていた。

 

育児は、正しさより楽しさをとりたい。 

仕方がないから、長男を私の横に座らせて、

スプーンを口に運んで食べさせた。

 

きっと眠いし、

ご飯も思ったのじゃなかったし、

おやつを食べ損ねたせいで疲れすぎてもはや食べる気力もない

といったところか。

 

4口目くらいから自分で食べだした。

お腹すいてたし、見た目よりは、おいしかったのだろう。

食べ終わったら、さっきの不機嫌はどこへやら

長男は急にケタケタ笑いだし、

カーペットに転がって遊びだした。

 

 

もーーなんやねん!

 

 

 

それにしても・・・

3歳児に一本取られたなあ。

 

彼は、家族の中で一番言葉もつたないはずなのに、

いつも<自分の気持ち・考え>を隠さず、正面から話してくれる。

喜怒哀楽に正直なのだ。

 

「〇〇(自分の名前)、これすき」

「〇〇、これいやなの/こわいだの」

「〇〇、これやりたいなあ」

「にいにがたたいたの。だからあやまる(お兄ちゃんに謝ってほしい)」

 

空気を読んで本当の気持ちを我慢したりしない。

そのとき湧いてきた感情に正直で、

その気持ちを自分のボキャブラリーの中から丁寧に言葉にしてくれる。

 

まさに末っ子はいつも <じぶん> でいる。

赤ちゃんや小さい子が元気でかわいいのって、

こういうどんなときも<じぶん>でいるパワーなんじゃないんだろうか。

見ていて気持ちがいい。

 

ごねることもあるし、

それに私が付き合う余裕のないときもあるけれど、

基本的には、私が「そっかー」と受け止める※とあっという間にすっきり。

もう忘れて、次の行動へうつっている。

 

※末っ子に学んだ「受け止め力」はこちら ↓↓

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

最近は妥協?切り替え?も覚えた模様で、

何か不満があっても、

 

「もーーーー(ここまでは不満)

 ま、いっか!」

 

という感じで1人切り替え完了していたりする。

 

 

この日は、3歳児が不穏な空気を一変させてくれました。

こどもから学ぶことは多いです。

 

ちなみに、お姉ちゃんは

私が息子に怒っていることを察知して、

ごねてる弟のご飯にふりかけをかけて弟を喜ばすというナイスアシスト。

さすが!なんだけど、おねえちゃん、気を使わせてごめんね!

 

家族ってチームです。 

みんなが<じぶん>でいればその凸凹が互いを補うのでしょう。

日常の一コマでした。

母カフェParis☆3月の予定

みなさんこんにちは。

パリで育児中のお母さんのための子連れ座談会カフェ

母カフェ☆Parisのともこです。

 

明日で3月というのに、

最低気温-6度とか-7度とか手袋必須のパリです。

春が待ち遠しい!

 

さて、3月の日程です。

いつもの座談会形式の母カフェが一回、

ママ講師を招いた初の(!)「母カフェ講座」が一回ありますよ。

 

★母カフェ通常版

日時:3月8日(木)10:00-12:00 

場所:パリ15区(詳細はお問合せください)

対象者:小学生以下のお子さんをお持ちのお母さん、妊婦さん、子連れも大歓迎

参加費:3ユーロ(お茶&お茶菓子付き)

定員:5組

 

★母カフェ番外編

母カフェ講座「カラーセラピーミニ講座」

日時:3月16日(金)10:00-12:00 

対象者:小学生以下のお子さんをお持ちのお母さん、妊婦さん、子連れも大歓迎

参加費:18ユーロ(お茶&お茶菓子付き)

講師:オーラソーマカラーセラピストで2児のママゆきのこさん

https://ameblo.jp/vivre-mieux-2911/

内容:カラーセラピーとは?カラーリーディングによる公開プチコンサルテーション

定員:5組

 

いずれの回も

cafedesmamansinparis@gmail.com

までお名前、お子さん連れかどうか、携帯番号を書いてお申込みください。

先着順にて、参加いただけるかどうかを返信させていただきますね。

 

 

以下、ご参考まで(^^

 

母カフェってなあに?↓↓ 

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

 

参加された方からのご感想↓↓

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

では今日もよい一日をお過ごしください♪

雪の日に思うパリのホームレスのおじさん2

前回のお話はこちら。 

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

次の日。

完全に母性が湧いてきた私は、

とにかくその人に栄養をつけてほしいと思った。

 

玄米おにぎりでも持っていきたかったが、

西洋人の口には合わなかろうと。

ここはサンドイッチかな。

 

差し出すにしても一つ、心に決めていた。

それは、<無理はしない>。

自分の生活第一。

その範囲でできること。

 

家にあるものでポテサラをつくっていたから、

ポテサラと卵のサンドイッチをつくって、

ラップで巻いた。

あとは夫が履かないと言っていたまだきれいな靴下。

お水は大きなペットボトルを脇に置いていたからいいか。

 

断捨離して余分な毛布とかがない。

あの大きなフリースとっておけばよかった。。

 

そんなことを考えながら

サンドイッチと靴下を紙袋に入れて持っていく。

 

その人はベッドに腰かけていた。

私のフランス語力からして言えたことは、

「ボンジュールムシュー」

紙袋を差し出すと、まるで日本人のように会釈して

メルシと小声でその人は言った。

 「どういたしまして」

あまり表情を変えずにさっと帰った。

 

 

偽善という言葉がある。

でも偽善でもいいと思った。

目の前にいたから。

それでいいんじゃないかと。

 

それに、今日も変わらず寒いけど、

あなたを気にかける人がいる、ということを伝えたい気持ちがあった。

辛いことばかり経験しているかも知れないけれど

世の中、悪い人ばかりじゃないってことを少しでも感じてほしかった。

それはエゴかもしれない。

 

次の日は、バナナと

防寒にも、汚物の処理にも使えるだろうと新聞紙を持って行った。

 

他にも誰かが寄付したようなスーパーのエコバックがおいてあり、

私は、他にも支えている人がいるのだとほっとした。

(バルセロナいるときも思ったことだが、スーパーやパン屋で買った袋を

ごそっと袋ごと渡す太っ腹な人もこちらでは結構見かけるのである)

 

 

その次の日は、余裕がなく、行かなかった。

 

 

そして週末。

夫がちょうど処分しようと思っていたという

セーターを出してくれた。

暖かそうなしっかりしたセーターで、

これを中に着れば随分暖かいのじゃないかとうれしくなった。

さらに冷え込んだその日はカボチャスープを作ったから、

飲んでほしくてプラスチックの深皿に入れて

プラスチックのスプーンをつけて持って行った。

 

あれ?

 

マットレスはあったが気配がない。

荷物は一部あった。

 

迷ったが、帰ってくるかもとスープもセーターも

人目につかないように置いてきた。

 

 

翌日、

スープもセーターも毛布も全部なくなって、

その人はどこかへ消えた。

 

 

 

ふふううう。。。。

 

 

 

その人のために何かを準備することは苦痛ではなかった。

何もしないよりむしろ癒された。

 

でも、いなくなったことが分かったとき、

心底ほっとした自分がいた。

 

もう悲しい姿を見なくて済むからだ。

 

 

おじさんはどこか別の場所へ行ったのだろうか。

他のホームレスの人たちと交流する姿もなく、

たくましさとは無縁の、ひょろりと頼りなげで、

優しいのだろうと感じられるひと。

きっといいおうちで育ったのだろうひと。

 

おじさんどこかで生きてますか。

粉雪舞うパリの街を見ながら、貴方を思い出しています。

雪の日に思うパリのホームレスのおじさん1

ここ数日、パリに珍しく雪が降り続けている。

気温も-6度から2度くらいを行ったり来たり。

ふうさむい。。

 

冷え込むと、思う。

この街のホームレスの人たち、この寒さでどう生きているのか。。

 

パリには路上で物乞いをする人もたくさんいるが、

店先やちょっと屋根のある場所で寝ているホームレスの人もたくさんいる。

 

これまで、車窓から、

もしくは買い物途中にそういう人たちを目撃しても、

彼らのために立ち止まるということはなかった。

視界に入って、あ、と思うのだが、

自分が何かできると考えたことはなかった。

 

彼らは彼らで友人関係があるように見えたこともあったし、

寝袋やお酒や彼らなりに生きているのだと

自分を納得させて考えないようにしていたところがある。

私がみんなに食事やお金を配り歩くことはできないのだからと。

 

でも、10月に見かけたホームレスの男性を

私は通り過ぎることができなかった。

 

パリで10月というとガクッと寒くなる時期だ。

先週まではあたたかかったのに、突然寒くなった週があった。

 

うちのマンションはセントラルヒーティングで、

個人個人で暖房をつけることはできない。

寒くなると、「早く暖房入れてくれないかなあ」と毎回思う。

もう十分寒いと思うのに、

費用節約なのか、なかなか暖房が始まらないからだ。

でも、ひとたび暖房が始まれば、春先までは快適にあたたかく過ごせる。

 

寒いなあと思いながら子どもたちのスクールバスのお迎えに下に降りた。

すると、昨日まで誰もいなかった門出て少し左に折れたところの

小スペースに男性が寝ていた。

 

あ、、、

 

パリではよくあるのだが、

だれかが捨てただろうベッドのマットレスを敷いている。

そして頭には枕代わりのリュック。

うすいフリースのような毛布のようなものを

足の先から首までピンと張ったようにして寝ている。

マットレスからはみ出るくらいの身長があるのに、

薄い厚みがその人の細さを思わせた。

 

 

その夜。

 

パパが出張でいないからと

3人の子どもたちを私は一緒に寝ることになった。

夏用の薄めの羽毛布団をかけても、なんだか冷える。

子ども部屋からタオルケットを追加して。

 

家の中にいて、布団かぶってこんなに寒いのに

あの人はどんなにか寒いだろう。。

 

そんなことを考えながら寝た。

いや、寝れない。

あの人、寒いだろうなあ。

気になって仕方がない。

なんでうちの前にいるんだろう。

知ってしまって苦しかった。

 

 

次の日の朝、おじさんは寝ていたが

買い物に出るときに再び見ると、

ベッドにおじさんはいない。

 

ふと横を見ると、我が家とは反対側の壁におじさんが立っていた。

 

 

何してるんだろう。

 

 

おじさんは頼りなげにゆらゆらと揺れながら、

ときどき頭を壁にもたげるかのように斜めに立っていた。

そして、壁に向かってぶつぶつぶつぶつしゃべっていた。

情けないような風情で半分笑いながらしゃべっていた。

よれよれのジャージ。

顔は赤くて酔っているようだった。

 

そして、なんてことだろう。

この寒さというのに、足は裸足だった。

この寒さというのに、靴を履かずにいられる

彼の精神状態にショックを受けた。

 

彼のマットレスを見ると、ベッドメイクされている。

くつはベッドサイドにきちんとそろえてある。

ゴミはまとめられている。

わずかな空間だけれど、モノも少ないけれど

彼が秩序を持ってくらしているのが分かった。

 

そのことが、

 

「ああ、この人もちゃんとした家庭で育てられた<ひと>なんだ」

 

ってことを私に感じさせた。

その男性が一瞬、自分の息子のように想像してしまう。

こんな姿になって。。

次の瞬間、猛烈な悲しさが襲って、胸がつまった。

この人にだって親も兄弟もいただろうに。

 

彼はとても危害を加えるような危険な人には見えなかった。

 

 

バスから降りた子どもたちを引き取り、
またおじさんの前を通った。

娘にもこういう人の存在を知らせたくて、
 
 
「ほら、あそこにおじさんがいるでしょう」
 
 
というと、
トイレに行きたい娘は急ぎながら言った。
 
 
 
「うーん。でも仕方ないよね」
 
 
 
 
(・・・・!)


 
 
心根の優しい娘は
なにか優しい言葉を返してくれるかと思っていた私は
ショックを受けた。

仕方ないって言っちゃうかあ・・・

 

 

でも、、

彼女の「しかたないよね」はどうでもいいという意味ではなかった。
私たち家族は、今まで何人もの物乞いの人、ホームレスの人を見てきたのだ。

「お金あげたら?」という娘を

「きりがないからね」と言って、

そういう人たちの存在を無視して通り過ぎてきたのは私たち親の方だった。

さらに、ロマと呼ばれる人たちの営業的物乞いの話や、
スリ集団の話、いろいろと聞かされる中で、
「路上にいる見ず知らずの人たち」の違いもよく分からないし、

だんだんそういった人たちに対する共感する気持ちに

蓋がされていったのだろうな。

その結果の「しかたない」なのだ。

そして事実、全員に何かできるわけではない。

自分で立ち上がらなければならない。

という意味で、「しかたない」は大人な発言でもあった。
 

 

でも、今回は違う気がした。

この突然の寒さの中で

あきらかに困っているひとがたまたま目の前にいる。

その人のことを思って、夜も寝れない。

 

「差し出せるものを差し出すときだ」

 

と私は思った。 

 

母カフェParis☆2月の予定

こんにちは!

パリで育児中のお母さんのための座談会カフェ

母カフェParisのともこです。

 

暗くて長いヨーロッパの冬。

お母さんも子どももビタミン補給必須!

あとは楽しくおしゃべりして乗り切りましょう♪

 

毎回くどいですが・・・母カフェってなあに?

↓ 

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

参加者のご感想♪

tomo-rainbow.hatenablog.com

 

 

おしゃべりしてリフレッシュしたい!

そんなお近くの方、

どうぞお気軽に遊びにいらしてくださいね。

以下に2月の母カフェの日程をお知らせします。

 

 

◆日時

2月6日(火)10:00-12:00

2月16日(金)10:00-12:00

 

◆対象者

パリ近郊在住の小学生以下のお子さんをお持ちのお母さん。

または妊婦さん。お子さん連れ歓迎。

 

◆場所

パリ15区(お申込み時詳細お知らせ)

 

◆参加費

1組3ユーロ(お茶代として)

 

◆定員

毎回5組

 

◆持ち物

お子さん連れの場合は、いつものお出かけグッズ。

(飲み物、スナックもあるとよいかもしれません)

 

◆申し込み方法

cafedesmamansinparis@gmail.comまで

お名前、お連れになるお子さんのお名前と年齢、電話番号、できましたらどなたからの紹介かをお書きになってお申込みください。先着順にて参加可否を返信させていただきます。